見事の一語に尽きる

時系列が行ったり来たりするから若干難解なところはあるし、この映画を正しく深く受け止めるためにはオッペンハイマーの生涯について一定の基礎知識が必要、というかそういう知識を持っていることを前提にした映画のように感じた。だから最近の日本の映画に多く見られるように、やたらと親切なところはないから、見る人を選ぶ映画なのかも知れない。だけど、観終わって何より非常に感銘を受けたし、さすがクリストファー・ノーランとも思う。出演している俳優陣の演技も見事なもので、アカデミー賞の主演男優賞を獲ったキリアン・マーフィーよりも、彼を陥れようとするロバート・ダウニー・Jr.の方がより優れていたと個人的には思う。キリアン・マーフィーは眼差しが印象的だったな。
印象的ということで言うと、音楽がものすごく良くて、特に最初の原爆の実験のときの緊張感は、あの音楽があってこそ。あと、超高画質なのも良き。これは、作品賞獲るのわかるなあ。