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鑑賞日 2012/06/10  登録日 2025/04/11  評点 60点 

鑑賞方法 選択しない 
3D/字幕 -/-
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ひばり・いづみの物真似が見もの

 シリーズの二作目「続サザエさん」であります。原作・長谷川町子、監督・青柳信雄、脚本・笠原良三、音楽原六朗など前作と同じ。白黒スタンダード、84分。

 サザエさん(江利チエミ)はフグ田君(小泉博)と面会し、互ひの思ひを確認します。近々母に会つて欲しいと云ふフグ田君。それでサザエはフグ田君好みの貞淑な娘にならうと奮闘努力中。しかしカツオ(小畑やすし)の悪戯やワカメ(松島トモ子)の不始末などで、つひヒステリックになるので、母(清川虹子)からは信用されません。

 磯野家にまた居候がやつて来ました。ノリスケの弟・ノリオ(藤木悠)で大食漢。彼が近所に越して来た人気作家の伊佐阪難物先生(三木のり平)に会ひたいと云ふので連れて行きますと、先生が不在だと思つて言ひたい放題したため、隠れてゐた先生に怒られて殴られてしまふ。で、コブを作つてはふはふの体で逃げ帰るサザエたちでした。

 サザエが家に帰ると、何とマスオさんが母(梅野公子)を連れて待つてゐました。コブに絆創膏を貼り、一張羅に着替へ、精一杯お淑やかに対応します。サザエが席を外した際、父(藤原釜足)と母にマスオ母がサザエの印象を述べるのを、サザエは他の皆と襖の外で聞き耳をたててゐます。熱心に聞き入り過ぎて、勢ひ余つて襖を壊して倒れ込んでしまひました。マスオ母は其の儘帰つてしまひ、もう駄目だと絶望するサザエです......

 サテ二作目にして漸くマスオさんと結婚の意思を確認します。江利チエミの映画版は全10作もあつて、実際に結婚するのはまだまだ先。マスオさんが磯野家に入り、タラちやんもゐる世界が当り前のアニメに慣れた人にとつては、まどろこしい展開と申せませう。取敢へず今回はマスオ母の眼鏡に適ひ、結婚まで一歩前進です。

 今回も得意の歌を随時披露。クラス会(出身校が「平目女学校」となつてゐます)では、三人娘の仲間・美空ひばりと雪村いづみのモノマネをするシーンがあります。お淑やかにならうとすればするほど、ボロが出た時のダメエヂが大きいのが可笑しいチエミのサザエさんです。

 共演者は、今回も山中先生の柳家金語楼が登場。母親役が沢村いき雄と云ふのが吃驚。最初は誰か分かりませんでした。ノリスケは不在ですが弟のノリオに藤木悠。このノリオ、原作とは設定が違ふやうです。ミチ子さんの青山京子は続投。
 伊佐阪先生の妻は藤間紫。伊佐阪難物もレギュラー化して欲しかつたけど、多分本作だけの出演。森川信も笑はせてくれます。クラス会での同窓生の夫役に佐原健二、千葉信男、堺左千夫ら。脱線トリオ(由利徹、八波むと志、南利明)が揃つて出演してゐるのも注目。

 次作は「サザエさんの青春」ですが、結婚まではまだ暫く時間がかかります......