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若親分
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1965年製作公開の「若親分であります」。「原案」は紙屋五平。監督は池広一夫、脚本は高岩肇と浅井昭三郎、音楽は小杉太一郎。助監督に黒田義之の名前有り。総天然色シネマスコープ、86分。 明治末期。南条組の親分辰五郎(南部彰三)がメッタ突きにされ暗殺されます。居合せた俥引き三吉(山田吾一)は滝沢組の仕業だと云ふ。直次郎(成田三樹夫)ら子分衆は仕返しに殴り込みだと意気込みますが、姐さん・ひさ(原泉)は止めます。葬儀にはその滝沢組組長・巳之助(石黒達也)も参列し、一同はざわめくのでした。 辰五郎の息子・武(市川雷蔵)は海軍少尉でしたが、跡目を継ぐために帰つて来ました。その二代目襲名披露が終り、帰途に就く巳之助を三吉が襲撃せんとするのを武は止め、自ら巳之助の右手首を斬り落とす! これで父の仇は討つたと云ふ武です。 武は亡父が贔屓にしてゐた浪曲師・桃中軒雲右衛門(三波春夫)を招いて追善興行を計画しますが、太田黒組の親分・伊蔵(佐藤慶)が賭場での汚い手により雲右衛門は人質に取られ、興行権を横取りしてしまふ。乗り込んだ武はケリを賭博で付ける事になります。武はお返しのイカサマで勝ち、雲右衛門を連れ戻します。 どこまでも卑劣な伊蔵は、追善興行の舞台となる恵比須座に放火し全焼させてしまふ。しかし雲右衛門は心意気の人。焼け跡の前で独演会をやつてのけるのです。 或る夜三吉の曳く俥に乗つた武を、賊が襲ひます。その顔を見て、三吉は辰五郎親分を殺した男だと叫びます。武はその男を責めたて、背後にゐるのが伊蔵だと白状させました。父の仇は伊蔵で、巳之助ではなかつたのです...... 大映にもヤクザ映画の波は押し寄せ、トップスタア雷蔵がその任につく事になりました。雷蔵自身は「鶴田浩二の二番煎じかよ」と任侠路線には懐疑的でしたが、大映を背負つて立つ自身の立場を十分に心得てゐる彼としては演ずるしかありません。しかし独特のオーラを放つ雷蔵ですから、誰の二番煎じでもない、誰にも真似が出来ない端正なヤクザ映画になりました。 東映の暑苦しさがなく、ある意味爽やかな仕上り。ヤクザ映画に「爽やか」と云ふ形容詞は似合はないけれど、彼の場合は別です。ヒロイン朝丘雪路との関係もベタベタすることもなく、あつさりとしたプロポーズに好感を持つのです。しかし早とちりして石黒達也の腕を斬り落とすのは大失敗ですな。石黒は佐藤慶と組んでワル連合を形成するかと思つたら、実に好人物。手を斬られたのに雷蔵を褒めたりして、お人好し過ぎませんか。 単調にならぬやうに、三波春夫の桃中軒雲右衛門の登場や、藤村志保と山下洵一郎のエピソオドを挿入したりしてアクセントをつけてゐます。個人的には朝丘雪路ではなく藤村志保をヒロインにして頂きたかつた。で、山下の相手役は高田美和で決まりです。その他、五月蝿い上に雷蔵に迷惑ばかりかける山田吾一、何かと云へば殴り込みをしたがる成田三樹夫などが印象に残ります。 サテ流石に雷蔵、本作も興行的に成功、恙なくシリーズ化し、結果八作まで製作されるのでした。
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