面白い面白くない以前の問題で引っ掛かる作品というものがあって、この映画もその部類で、人間の心理とか会話とか人物造形がチグハグでどうにもならない。前のシーンであんな態度だった人がそんな事する？尋常な精神状態の人間がそんな反応する？って微妙に箍が外れた描写の連続で、どいつもこいつも尋常の精神状態に見えないので、お互い別の種類の常軌を逸した愛で対峙するクライマックスが際立って来ない。世界観というか、物語世界のリアリティが無いとまともに見てられないよ。