それにしても江利チエミよ。この頃18,9くらいの筈だがその貫禄たるや。やはりズージャの人ってのは鍛え方が違うのだろうか。貫禄といえば松島トモ子もなんだこれは。クリスマスパーティーで出し抜けに「私は極度の泣き虫」という事だけを伝える歌を歌い踊るのだが、そこまで一切泣き虫の描写は無い。泣き顔すら見せない。なのに泣き虫をアピールして目をかっ開き口元に笑みを絶やさず達者に歌い踊る。アナベルとかミーガンとかそういう種類の恐怖である。恐怖の余り噛み付かざるを得なかったライオンの気持ちを察して余りある。序盤、その松島トモ子演ずるワカメが「どうして雄鶏は卵を産まないの？」としつこく訊き「そういう風に決まってるのよ」と母親にあしらわれるシーンがあるのだが、メッセージ性を強く感じるのは現代人だからなのか。サザエさんが「結婚だのお淑やかだのどうでもいい！私は私！」と解放される訳ではなく、フグ田君に栄螺っぽい貝殻のブローチ貰って大団円なんだからそこまで考えちゃないか。