日本人というか日本語話者故にオチが見えてしまう作品というのがままあって、例えばガス・ヴァン・サントの「追憶の森」なんかがそうで渡辺謙の妻子の名前の不自然さで「おや？」と思わざるを得なかったりする訳だが、この映画でも埋葬地を選んだのが「キスネ」という名の僧侶でその山には狐がウヨウヨしているという時点で「おや？」と気付いてしまうのだが、そこを気付きながら見続けるのか飽くまで日本語を知らない前提をオフセットして挑むのかという鑑賞者の度量が試される岐路に望まずも立たされてしまうのである。日本語が分かるばっかりに。見てるこっちが黒いゲロ吐きそうである。それと変な発音の日本兵にはすっかり慣らされてるので平気だが、なまじ発音が上手いと「戦国武将にそんな語彙あるか？」みたいな変な日本語が気になって内容が頭に入って来ない不気味の谷的な現象も起こってしまう。日本語が分かるばっかりに。見てるこっちが豚を切り刻みながら踊り狂いたくなってくる。最後に申し添えますが、チェ・ミンシク親分とユ・ヘジン兄貴は流石の貫禄でした。