男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

NEWS

KINENOTE公式Twitter

鑑賞日 2025/04/28  登録日 2025/04/29  評点 96点 

鑑賞方法 選択しない 
3D/字幕 -/-
いいね!レビューランキング 53642位

まごうことなき大傑作

脚本、撮影、美術、照明、編集、演者の演技などなど全てにおいて完成度が高く、それ等全てを演出した溝口健二監督はやはり大監督でした。
 私は溝口監督のねちっこくヒロインの不幸を描き続ける映画群が嫌いで、特に『西鶴一代女』の救いのなさには完全に落ち込んでしまい、しばらく鬱になった。(それだけ作品にパワーがあるという事)だから、今作も観る前から、(また、鬱になるんだろうなぁ、嫌だなぁ。)と思いつつ、観賞したのだけど、溝口作品にしては意外に救いがあってホッとした。結局は香川京子、長谷川一夫の二人とも捕まって死罪になって市中引き回しになるけれど、ヒロインは愛する人と最後まで一緒で、笑みまで浮かべているし、今作では、不幸にする側の男(遠藤英太郎)もお家取り潰しで不幸に落とされるから両者痛み分けで、これが溝口作品で精一杯のハッピーエンドではないか。大傑作。