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鑑賞日 2025/03/20  登録日 2025/03/20  評点 74点 

鑑賞方法 VOD/U-NEXT 
3D/字幕 -/字幕
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エストニアの苦難

 この映画、ネットの映画評価サイトで高い評価を得ていたが、どうせまたロシアのプロパガンダ映画だろうと思っていた。再度確認すると、エストニア、フィンランド製作の映画じゃありませんか。そうするとロシアのプロパガンダ映画とは違うな、むしろバルト3国はロシアが大嫌いなので違う映画になっているはず、と思ってみました。
 映画の冒頭でエストニアが独立してすぐに当時のソ連が占領し、そこにナチスのドイツが占領して、エストニア人はドイツ軍とソ連軍に分かれて同国人同士が戦うこととなった、と説明があった。
 主人公が前半と後半で変わる。前半はドイツ軍の部隊に所属している兵士カールがソ連軍(相手はエストニア人)と最前線で戦う。次々と仲間が殺されていく中、なんとかソ連軍を撃退する。途中、政府の役人が来て兵士達をねぎらいヒトラーの写真を配るが誰も敬礼なんかしない。やがて撤退が始まり、途中、ソ連軍を待つ為、陣地を作り、ソ連軍と戦う。その戦いでカールは殺され、殺した側の兵士ユーリが主人公になっていく。自分が殺した兵士の姉へ兵士の書いた手紙を届け、その姉と親しくなる。一方、上官はユーリが反共産的であると目をつけ始める。そんな中で、ドイツ軍から逃げ出した兵士が改めてソ連軍の兵士として配属される。途中、やはりドイツ軍から脱走してきた、まだ少年の兵士が投降してきた。上官はその少年達を殺せというが、それをためらっていると、ユーリは上官に殺されてしまう。
 2つの大国が戦争をしている中で、エストニア人同士を戦わせ、殺させる。どれだけのエストニア人がこの戦争でお互いを殺し合ったのだろう。エストニアの人口は130万人ほどの小国だ。こんな小さな国で大国からお互い殺し合うことを強制された歴史というのはエストニア人には忘れられないであろう。エストニアが1991年に念願の独立を果たし、反ロシアの態度を取ると、ロシアから大量のサイバー攻撃を受けたという。ロシア人は兎に角、他国の領土を奪い取っていく。そのためにはどんな卑劣な手段も取る。第2次大戦でヨーロッパの国境をずらしていったし、日本も千島列島や樺太を奪われたままだ。ロシアは今でもウクライナを奪い取ろうとしているし、それだけでは無い、ジョージアでもモルドバでもロシア人の安全を守るためと称して領土を拡張しようとしている。ジョージアの大使がいっていたが、赤ん坊が這う様に少しずつ領土を侵食しているという。こんなロシアだから、東ヨーロッパの国々はロシアが大嫌い。ついでに私も大嫌い。ロシアも人口は1億4000万人くらいだから、日本より少し多い位なんだ。ヨーロッパがまとまれば、圧倒的にロシアに対抗できる。
 2025年になって東西の首脳がろくでもない人間になってしまった。世界はどうなってしまうんだろう。
 話が違う方向に行ってしまった。