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地上より永遠に
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地上より永遠に 何か映画をみようとしたのだけれど、新作は冒頭を見ただけで、その先を見る気がしないものが続いて、これは古典的な名画を見るべきと思い選択。さすが、アカデミー賞8部門に輝く本作には、開巻から引き付けられた。 日本軍による真珠湾攻撃直前の1941年のハワイの米駐留軍基地を舞台にした作品。映画史上でも有名な波打ち際でのキスシーンと映画タイトルから、てっきり恋愛映画かと思っていたら、さすが、「真昼の決闘」「ジュリア」の反骨の映画作家フレッド・ジンネマン監督の作品で、軍内部での理不尽ないじめ、差別を糾弾する社会派といってもいい作品であった。と言っても、超肉体派のバート・ランカスター、美貌のデボラ・カー、イケ面のモンゴメリー・クリフトといった煌びやかなハリウッドスターによる恋愛模様もあるわけだけれども、監督の主眼は明らかにそこにはない。 中隊長は自らの昇進のために、転属してきた兵士ブルーイットにボクシングをやることを強要する。かつて、ボクシングで相手を失明させたことから、拒否するブルーイットに対して、徹底的なイジメを行う。このあたりの理不尽さは、日本軍特有のものかと思っていたが、命令絶対服従の軍ではどこでも同じような状態であったのだろう(もっとも、軍ではなくても組織においては、程度の差はあれ、今も同じようなものかもしれない)。ブルーイットの親友となるイタリア系の兵士マジオを演じているのが、フランク・シナトラ。例の「ゴッドファーザー」の馬の首をベッドにおいて役をつかんだエピソードのモデルになったとして有名であるが(実は、別の作品らしいが)、軽薄・調子のいい兵士の演技は素晴らしく、アカデミー助演男優賞受賞も納得する。また、モンゴメリー・クリフトの美男と硬骨漢ぶりにもため息がでるようだ。 終盤には、日本軍による真珠湾攻撃があり、色々な思いはあるものの男たちは戦いに向かうというラストがいい。ただし、中隊長が主導した理不尽ないじめが発覚し、退職させられるのには、少々ご都合主義を感じて、あのジンネマン作品にしては違和感があった。これでは、軍批判ではなくて個人の問題になってしまう。しかし、これは、軍の撮影協力を得るために、改変させられたもので、原作者、ジンネマンともども大激怒だったと聞く。さすがジンネマンだと思う。 なお、悪役でアーネスト・ボーグナイン、端役であの「スーパーマン」のジョージ・リーヴスのなつかしい顔がみられたのもうれしい限りである。
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