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2025/2/12
「キネマ旬報」2月号は発売後SOLD OUTしました。特集は「2025年、映画の旅」(70P超!公開待機作ラインナップ特集)。表紙・巻頭インタビューは、派手に痛快なコンゲームを繰り広げる「劇場版 トリリオンゲーム」主演の目黒蓮。
2025/02/05
「キネマ旬報2月号増刊第98回キネマ旬報ベスト・テン発表号」発売中! 2024年度ベスト・テンの全順位と講評を誌面にてぜひご覧ください。
2024/07/11
1919年(大正8年)7月11日「キネマ旬報」は映画好きの学生たちによって誕生しました。雑誌の100年の歴史を俯瞰した記念ムック「キネマ旬報の100年」発売中です!
2024/02/05
「キネマ旬報2月増刊第97回キネマ旬報ベスト・テン発表号」発売中! 2023年度ベスト・テンの全順位と講評を誌面にてぜひご覧ください。
2024/02/01
2023年 第97回キネマ旬報ベスト・テン第1位の作品と個人賞を「キネマ旬報WEB」にて発表いたしました。
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名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN
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名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN 過去、ミュージシャンの半生・生涯を描く作品は数多く作られているが、近ごろでは真打ちともいうべきボブ・ディランの若き日を描くもの。映画館のチケット売り場で、この種の映画に老婆がいるのに自分をさておいて、違和感があったが、冷静に考えると、あの時代を本当に知る者はそんな年齢になっているのだ。ギターだけを手にした若者が、ニューヨークに降り立つ。ボブ・ディランと自称するものの、本当の出自、名前さえも明らかにしない。そんな若者が溢れんばかりの才能で、スターダムに上がるだけでなく、音楽界自体を変革していくというストーリー。 まずもって、感心したのは、5年という歳月をかけ、すべての楽曲を演者が実際に歌い、演奏していることであるが、特に、ピート・シーガーに導かれて、ウディ・ガスリーの前で急に歌えと言われてディランが歌いだすシーンの演じたティモシー・シャラメの歌唱力には心打ち震えた。もっとも、カバーされても名曲になるディランの楽曲の素晴らしさがあるわけだけれども。楽曲のイメージが天から降りてくると、夜中であろうと誰の部屋であろうとギターを弾きだし、別れた相手の部屋にも行きたくなると平気で入る。ジョーン・バエズが曲を褒めても、格下に扱うなどなど。才能のある人間は何をしても許されるのかと言いたくなるような自己中極まりない。しかし、バエズとのデュエットに対して、恋人が嫉妬に苦しむものの、楽曲の素晴らしさに嫉妬を超えて感動してしまうほどの神の子なのだろう。恥ずかしながら、僕も、ハモンドオルガンのスイッチの入れ方もわからないアル・クーパーが飛び入りでセッションに参加し、「Like a Rolling Stone」を演奏するシーンでは、「切らずに続けて」と叫びそうになった。また、フォーク守旧派というべきピート・シーガー(エドワード・ノートン好演)との関係が気になって、シーガーのテレビ番組でやらかすのか思いきや、黒人ゲストと見事なジャムセッションをするシーンも最高だった。もっとも、シーガーの人柄の良さにはさすがのディランも敬服していたのだろう。大騒動のフェスの後でも、シーガーは椅子を片付けているのだから。後、カントリー界の村田英雄みたいで、好きではなかったジョニー・キャッシュが結構いい奴だったのも興味深い。 ベトナム戦争、核戦争一歩手前、黒人の公民権運動など時代が変わり、ディランも旧来のフォークの世界に収まり切れずに新たな音楽的挑戦をしていく。その意味で、エレキを手にした1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルをクライマックスにするのはやむを得ないとは思う。ただ、僕としてはザ・バンドとの出合い、セッションの様子なども見たかった。加えて、同時代のビートルズをどう見ていたかも知りたかった(ほとんど、触れていないのは寂しい)。 正直、映画作品というよりも、MTVを見ているようにディランの楽曲を楽しんだ感じだけれど、よくある伝記映画のように無理やりに山を作って感動を煽ることなく、抑制の効いた作品にした監督ジェームズ・マンゴールドは見事である。次の伝記映画は、キングオブポップ、マイケル・ジャクソンだろうか。
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