男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

  • 男性
  •  
  • 69歳
  •  
  • 大阪府

キネ旬読者歴44年。自他ともに許す映画狂。

MY BEST MOVIE

フォロー
フォロワー 4 297位
いいね!したレビュー 1
いいね!されたレビュー 69 334位
総鑑賞本数 234 5857位
総鑑賞回数 235 5966位
レビュー 234 637位
観たい 1

KINENOTE公式Twitter

鑑賞日 2025/03/26  登録日 2025/03/27  評点 65点 

鑑賞方法 VOD/NETFLIX/レンタル/テレビ 
3D/字幕 -/-
いいね!レビューランキング -位

エンタメにも五分の映画魂がほしい

#マンホール
 言ってみれば、マンホールの穴に落ちてしまった男の話ということで、正直、映画的食指は動かなかった。しかし、最近のご贔屓、奈緒が出ていて、監督が「鬼畜大宴会」「海炭市叙景」の熊切和嘉ってことで、重い腰を動かした。だが、その両方ともに裏切られる結果になった。第一に奈緒は声だけで最後まで姿を見せてくれない(監督の狙いなのか、贅沢すぎる使い方とも言える)。次に、映画全体の印象はテレビの「世にも不思議な物語」のような薄っぺらいもので、熊切作品に僕が期待するものではなかった。
 マンホールの中に閉じ込められた男の話に、携帯電話によるSNSを駆使して脱出を図ろうとする味付けはなかなかのアイデアだし、よしとしよう。でも、それまでになんの伏線、ヒントもない終盤の唐突な展開は、観客の予想を越えるというよりも、反則技に近く、どうにもカラッポの印象しか残らない。突っ込みどころ満載(例えば、どのようにして、元かのの声と信じさせたのか、死体遺棄を行った場所を忘れることの疑問など)のところも、「エンタメ作品に野暮なことは言うもんじゃない」と言われそうだけれど、あまりに空っぽの展開に、「やられた~」と喜ぶほど、僕は無邪気にはなれない。ジャニーズの中島裕翔のイケメンぶりを逆手に取り、奈緒だけでなく黒木華まで贅沢な使い方をする熊切監督の悪意まで感じるケレン味は評価するが、この作品を見て何か得るものがあったのかと思うと、やはり何もない。「エンタメに何を堅いこと言ってんの」とまたまたつっこまれても、エンタメにも五分の映画魂がほしいと考えている老人なのだからしかたがない。