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ムーン・ウォーカーズ
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ムーンウォーカーズ 1969年のアポロ11号の月面着陸の陰では、こんなことがあったという発想のもとでのコメディ映画。あのテレビ中継の映像は実は捏造であったというアイデアはすでに「カプリコン1」であったけれども、今回のミソは、都市伝説にもなっているその映像をCIAがあの「2001年宇宙の旅」のスタンリー・キューブリックに秘密裡に依頼するところ。それにしても、あの巨匠の実名をしっかり使うってのはすごい。一部で「2001年宇宙の旅」の映像が使用されていた気がするし、そのあたりで、権利関係はクリアーされているのだろうか。 今回、設定として面白かったのは、その密命をベトナム戦争で特殊工作をしていた男キッドマンに任せるというところ。演じているのが、まさに、野獣、ゴリラそのものって感じのロン・パールマンが。故に、やくざたちに資金を奪われようとも、ものともせずに反撃、取り戻すのが胸のすくようなハードなアクションで描かれる。特に、銃撃で頭が吹っ飛ぶのは、最高に「上がる」。結局、映像制作は、当初だましたジョニー(「ハリーポッター」シリーズのロンでおなじみのルパート・グリント)とともに、いかがわしい映画監督に委ねられる。ここからは、1969年当時のサイケなカルチャー、LSD、コカインなど薬物のオンパレードになっていく。キッドマンのベトナム戦争後遺症ともに、時代を象徴するネタとして、コメディでは使いどころなのだと思う。サイケなイメージ満載に映像の出来上がりはどうなるかと思いきや、意外に月面のセットは実際の映像に近いものに作られている。故に、最後はどうなるかと思わせておいて、結果、月面着陸は成功し、その捏造映像は使われなかったという「落ち」になる。 それにしても、50年以上も経過しているが、人類は月以外には人を送り込むことはできておらず、あの月面着陸は相当のリスクを負ってたまたま成功したようにしか思えない。アメリカが国の威信のために、保険として捏造映像を作っていたというのも、あながち嘘ではない気がしてきた。この作品、後半、サイケ・薬物のネタでグズグズになった気がするが、ロン・パールマンの起用により、普通に面白いコメディにはなっていると思う。
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