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新幹線大爆破(2025)
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新幹線大爆破 1975年のオリジナル版を原作として、子供のころから作品のファンだったという樋口真嗣監督によりリブートした作品。ただ、単なるリブートではなく、JR東日本の全面協力とまさに驚愕のCG,VFXで、前作でできなかったことをやり遂げたという感がある。前作の「スピード」にも影響を与えた「動くものは止まれば安全」という常識を逆手にとった抜群のアイデアにより、今回も、100㎞以下に速度が低下すると爆発する爆弾が新幹線に仕掛けられたという基本設定は変わらない。ただし、前作のパニック映画として犯人との交渉などのスリル・サスペンスに対し、今回は、JR東日本側の対処方法に重点が置かれている。その意味で、斎藤工演じる総括指令長を中心としたJR東日本新幹線総合指令所内などの描写は、樋口真嗣監督の「シンゴジラ」の政府部内の演出のパターンのように、そのテキパキ感が心地いい。そして、今回の最大のアイデアは、走行中に一部車両を切り離し、救出車両を連結し乗客を移動させるというもの。実感のある映像の力は相当なもので、しかも、前作でタイトルと想像シーンだけであった「新幹線大爆破」を実現させてしまうのだ。 また、ストーリー的にも、救出列車への移動ができたと思いきや、一人の女生徒のために、全員救出ができなかった展開に、この後、女生徒をどう扱うのか心配していたところ、なんと、その女生徒こそが爆弾を仕掛けた犯人であったというまさに予想だにしない展開。しかも、前作の事件で自爆した犯人を、警察がその威信から、射殺したことに偽装され、やってもいない自慢をする元警察官の父親が許せなかったという女生徒の犯行動機、さらに、前作で、犯人グループの中で自分が最も思い入れのあった山本圭演じる学生運動家くずれの古賀の息子が、爆弾製作者として今回の事件にも絡んでいるということで、見事に前作と繋げているのだ。 さらに、なんとか乗客の安全を図ろうとするJR東日本の社員たちの指令から現場までのまさに一糸乱れぬ連携の姿は、かつて、自分が仕事で目の当たりにした「旧国鉄一家」の復活ともいうべき感動までもたらせてくれた(これならJR東日本の協力を得られたのも当然だろう)。 前作の効率優先の国家権力の暗部を強調したシニカルな結末は、傑作の名にふさわしいものであるが、今回は、ど派手な爆発、脱線で締めたのは、パニック映画の基本であると思う。政治家などより、インフルエンサーの方が、世間を動かせるというのも、今風でいいと思う。願わくば、これほどの迫力(画像、音響ともに)であれば、ぜひとも、映画館での公開を検討すべきではないか。配信から劇場公開という流れができてもおかしくない。それほどの出来である。 それにしても、前作は、国鉄の協力もなく、当時の特撮技術でよくもあれだけの傑作ができたものだと改めて、佐藤純彌監督以下のスタッフに頭が下がる思いである。
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