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飼育

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  • 平均評点

    72.7点(115人)

  • 観たひと

    176

  • 観たいひと

    14

  • レビューの数

    23

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1961
公開年月日 1961/11/22
上映時間 105分
製作会社 パレスフィルムプロ
配給 大宝
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ モノクロ/シネスコ
メディアタイプ フィルム
音声
上映フォーマット

スタッフ

監督大島渚 
脚色田村孟 
原作大江健三郎 
製作田島三郎 
中島正幸 
撮影舎川芳次 
美術平田逸郎 
音楽真鍋理一郎 
録音岡崎三千雄 
照明菱沼誉吉 
編集宮森みゆり 
スチル武智俊郎 

キャスト

出演三國連太郎 鷹野一正
沢村貞子 かつ
中村雅子 久子
大島瑛子 幹子
山茶花究 塚田伝松
岸輝子 ます
三原葉子 幸子
牧江重行 
京須雅臣 
加藤嘉 小久保余一
石堂淑朗 次郎
入住寿男 八郎
島田屯 角屋
黒坂明二 春夫
今橋恒 鉄砲撃ち
横田利郎 忠勇
竹田怯一 治作
小山明子 石井弘子
上原京子 百合子
上原以津子 桃子
戸浦六宏 役場の書記
小松方正 巡査
槙伸子 気違い女
ヒュー・ハード 黒人兵士

解説

大江健三郎の同名小説を「悪人志願」の田村孟が脚色。「日本の夜と霧」の大島渚が監督した社会ドラマの異色篇。撮影は「あの波の果てまで」の舎川芳次。

あらすじ

昭和二十年の初夏。或る山村へ米軍の飛行機が落ちた。百姓達の山狩りで黒人兵が捕まった。黒人兵は両足首に猪罠の鉄鎖をはめられ、地主鷹野一正の穴倉へ閉じこめられた。県庁の指令があるまで百姓達は、輪番制で黒人兵を飼うことになった。こんな頃に、鷹野の姪の幹子がこの村に疎開して来た。地主の一正は、豚のように貪欲で好色な男だ。息子の嫁の久子とも関係を結び、疎開もんの弘子にも野心を持っていた。村の少年達はクロンボが珍らしくてしょうがない。いつも倉にやって来ては黒人兵をみつめている。少年達と黒人兵はいつしか親しさを持つようになっていった。そこへ、余一の息子次郎が召集令をうけて村に帰って来た。出征祝いの酒盛りの夜、次郎は暴力で幹子を犯した。そして、翌日次郎は逃亡した。兄が非国民となって、弟の八郎は怒った。幹子のせいだ。幹子を責めた八郎は、皆に取押さえられて鷹野家の松に吊された。クロンボが八郎を慰めるように歌をうたった。八郎はクロンボも憎かった。こいつのために村中が狂ってしまったのだ。縄を切った八郎は、ナタを持ってクロンボに飛びかかった。その時、そばにいた桃子は突き飛ばされて崖下に転落、そして死んだ。伝松の息子が戦死したという公報が入った。みんなあのクロンボが厄病神なのだ。村の総意は、クロンボをぶち殺してしまえということになった。そうと知った少年達は、クロンボを逃がそうと図った。だが、飛びこんで来た一正が、ナタでクロンボを殺してしまった。それから数日して、書記が慌ててみんなに発表した。戦争が終ったのだ。みんなはあおくなった。もし進駐軍に知れたら。一正の発案でなにも起らなかったことにした。みんななにも見ないしなにもしなかったのだ。そのかための酒盛りの晩、次郎がかえって来た。もし発かくしたら、次郎が犯人ということで……。ところが次郎は書記と争ってあやまって死んでしまった。その火葬の火をバックに秋祭りの相談が行われた。何ごともなかったように。それはあたかも戦争そのものがなかったようでさえあった。その炎をじっとみつめている八郎の目には無限の悲しみと、怒りがこみあげていた。……大人たちは忘れ去ったとしても、この少年には戦争は決して消し去ることのできない心のキズであった。

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