車の窓をたたく。家まで送らせる。--彼女らが街から帰る時、用いる手段だ。真琴は陽子とそれをやった。中年男にホテルに連れこまれかけた時、青年が救ってくれた。清という大学生だ。翌日、二人は隅田川で遊んだ。中年男のさし出した金で。材木の上で、清は真琴を抱いた。--一週間経っても、清から連絡がなかった。アパートへ行き、バー「クロネコ」で伊藤と陽子とで待った。彼ら二人が消え、残った真琴に、愚連隊の樋上や寺田が言い寄った。清が来、喧嘩になった。兄貴分の松木がとめ、金で話がついた。清は、アルバイト先の人妻政枝と関係があった。が、真琴の真情にひかれた。アパートに泊めた。真琴が朝帰りした時、姉の由紀がしつこくいった。閉じこめられた。スキを見て逃げ、清と同棲を始めた。由紀が居所を突きとめた。が、ムダだった。金が必要だった。清は真琴と出あった時のことを用いた。車を持つ中年男を真琴が釣り、彼が強請るのだ。学校で同棲が噂になり、真琴は受持の下西に呼ばれた。由紀が噂を否定し、驚かした。妹の生き方を認めたくなっていたのだ。その夜、真琴はベンツの紳士をだませなかった。彼女は妊娠していた。清は堕胎しろといった。そのためにも例の仕事は必要だと。真琴は清のもとを去った。偶然にベンツの紳士に会った。ホテルへ泊った。清を忘れるために。清は政枝から金を借りた。真琴が寝たことを知ると、相手を強請った。--由紀は昔愛して破れた医者の秋本を訪ねた。工場街で診療所を開いてい、看護婦の茂子と関係をもっていた。昔日の面影はなかった。真琴が寝ていた。ここで子をおろしたのだ。清が現われ、秋本や由紀を罵倒した。真琴をいたわった。海辺で、二人の結びつきは堅いようにみえた。アパートに帰った時、警官が待っていた。ベンツの紳士が訴えたのだ。真琴は家へ帰された。清も政枝の奔走で情状酌量された。別れようと清はいった。君を守る力がないと。追いすがる真琴を突き放した。が、樋口たちが女を貸せとおどした時、承知しなかった。彼らは殴り続け、彼は死んだ。真琴はフォードの男に誘われ、ふらふらと乗りこんだ。突然、気づき、飛び降りた。十数米引きずられ、動かなくなった。