1953年冬。南北朝鮮の戦争が泥沼化する中、板門店では2年前に始まった停戦協議が難航し、アメリカと北朝鮮、中国の三者が南北境界の線引きを巡って火花を散らしていた。そんな中、自分の任務に嫌気を覚えた韓国軍防諜隊中尉カン・ウンピョ(シン・ハギュン)は、公然と軍の方針に異を唱えて最前線である東部戦線への調査着任を命じられる。激戦地のひとつ、エロック高地で戦死した中隊長の死体から、味方の弾丸が発見されたのだ。敵軍の内通者がいると見られるのはワニ中隊。そこに、戦死したと思っていた友人、キム・スヒョク(コ・ス)がいることを知ったウンピョの脳裏に、ある記憶が蘇る。開戦直後の1950年6月末。ウンピョ率いる小隊は北朝鮮軍の捕虜となる。震えながら神に祈るスヒョクを励ますウンピョ。死を覚悟した小隊に向かって、敵軍の隊長は“この戦争は1週間で終わる。故郷に隠れて、終戦後に祖国再建に務めろ”と告げ、ウンピョは釈放される。だが、負傷したスヒョクは傷の手当てのためにと、北朝鮮軍に連れ去られたのだった。再び1953年冬。小雪の舞う高地。ウンピョは名声からかけ離れたワニ中隊の姿に驚く。臨時中隊長として部隊を率いていたのは、まだ20歳になったばかりの青年大尉シン・イリョン(イ・ジェフン)。2年間で二等兵から中尉に特進したスヒョクは、ワニ中隊の実質的リーダーになっていた。前中隊長の死の謎も解けないまま、高地を奪い合う戦闘が果てしなく続く。さらに、ワニ中隊が“2秒”と呼んで恐れる凄腕の狙撃手など、様々な敵との戦いを経て、ウンピョは彼らが経験した戦場の真実を学んでゆく。そして迎えた7月27日。板門店で停戦協定が成立。だが、午前10時に成立したその停戦協定の発効は12時間後。午後10時時点での最前線が軍事境界線となることから、停戦が決まったにもかかわらず、ワニ中隊には最後の出撃命令が下される……。