誰かに教えたくなるシネマ

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毎月リリースされる未公開、単館系作品の中から、「観たら必ず誰かに教えたくなる」作品を厳選してご紹介。劇場で見逃した作品や隠れた名作が多く並ぶレンタル店だからこそ出会える良作、小規模公開ながらの傑作など、様々な掘り出し映画との出会いを提供します!

<4月リリース作品>

真綿で首を絞められる恐怖感

『インビテーション』

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アット エンタテインメントより4月5日リリース

©2015 THE INVITATION, LLC

【STORY】別れた妻から突然ディナーの招待状が送られてきたウィル。ある事故によって別れ、2年ぶりに元妻の家を訪れた彼だったが、招かれた理由も明かされないまま、そこに集まったかつての友人たちもどこか違和感があり…。

【オススメCOMMENT】 男の運転する車が、コヨーテを轢いてしまう冒頭から不穏な空気がじっとりとまとわりつく。重たいのに妙にドライで寒々しい。何かが起こりそうな緊張感。別れた妻からの突然のディナーの招待状。集まったかつての友人たち。何があって妻と別れ、友人たちと離れてしまったのか判らない気持ち悪さ。男の目線で見ることでの違和感が、次第にこの男の方がおかしいんじゃないかと疑心暗鬼になってゆく。終盤明らかになる真実は救いようがないほど狂っていて、そこからの怒涛の展開も必見です。

  

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理想の人生も、楽じゃない。

『パーフェクトマン 完全犯罪』

インターフィルムより4月5日リリース

 

©2015 – 24 25 FILMS – WY PRODUCTIONS – TF1 FILMS PRODUCTION – MARS FILMS.

【STORY】作家志望の青年・マチューは、ある日遺品整理の仕事中に故人の日記を見つけ、それを盗作してしまう。やがてベストセラー作家となった彼は結婚し理想の人生を手に入れるも、ある男から盗作の代償を強請られはじめ…。

【オススメCOMMENT】主演のピエール・ニネが360 度何処から見ても綺麗で、その美しさを駆り立てるような緊張の展開が続くノワールサスペンス。偽りの「ベストセラー作家」が、これまた偽りのラストを迎えるまでが、残酷かつお見事。「死者の記憶を奪った罪は重い」と何かと強請ってくるジイさんもいれば、主人公に劣等感を与え、彼をさらなる犯罪に誘う男にも要注意。でも一番ホラーなのは、自分の理想を叶えるために我を忘れる主人公かも…。生まれた“新しい命”だけが唯一の真実だったと思うと最高に切ない。

 

スクープも誤報も、作るのは人間

『造られた殺人』 

クロックワークスより4月5日リリース

©2015 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

【STORY】離婚と解雇の危機にある記者のムヒョクは、偶然にも情報提供の連絡を受け、連続殺人事件に関する大スクープを掴む。しかし、それが誤報であることに気づいた時には事態は混乱し、やがては本当の殺人事件が発生する。

【オススメCOMMENT】親近感No.1 の韓国俳優チョ・ジョンソクが、離婚&解雇の危機にある冒頭から同情が止まらない。不法滞在の女の密告により、殺人事件の大スクープを掴み、勢いに乗る男。実際は誤報なのに、どこまでも飛び火する様は、韓国現代社会の「ノーブレーキ」感をリアルに描く。世間が信じれば「嘘」も真実になるという集団心理が功を奏したか否か、その誤報がまさかの現実となっていく様は、超絶スリリング。危機に陥った時、嘘までをも味方にしたいという人間心理が、やはり他人事ではない。

 

仕事より大事なことってあるよね

『ヒットマン・ボディガード』 

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 トランスワールドアソシエイツより4月5日リリース

©Silver Leaf Pictures 2014

【STORY】腕利きの暗殺者として裏社会で信頼を誇るジェイミー。ロンドンのワル、アルバート兄弟の依頼で、ある男の暗殺を終えたジェイミーだったが、その男が以前クラブで知り合ったクロエという女の父であることを知り…。

【オススメCOMMENT】惚れた女を殺すことが仕事で、女を助けるのがプライベートと言い換えると、本作の主人公である暗殺者は言ってみれば、仕事か、プライベートか、究極の2 択を迫られ苦悩します。それこそこっちは生き死にのレベルの選択なんで比べられないですが、「仕事とアタシのどっちが大事なのよ!」とか、「仕事終わっていないのに休日はしっかり休んじゃうんだ!?」みたいな上司からの嫌味など、身に覚えのある人たちには響くところ多々ある本作。男の選択の果てにあるものを是非ご覧あれ。

 

 

歳をとっても、踊っていたい

『はじまりはヒップホップ』

ポニーキャニオンより3月15日リリース

©2014 Rise And Shine World Sales / Inkubator Limited / photo_Ida Larsson

【STORY】ニュージーランドにある人口8 千人の島、ワイヘキ島で、世界最高齢のヒップホップダンスグループが誕生。平均年齢83 歳のメンバーたちが、ヒップホップの世界大会出場に向け奮闘する姿を追ったドキュメンタリー。

【オススメCOMMENT】平均年齢83 歳のお年寄りたちが、ヒップホップダンスに挑戦! 聞き慣れない音楽と、うまく動かない体に戸惑いながらも、それぞれが「大冒険がしたい。挑戦したい」という意思のもとに奮闘します。悩むことはあっても、日々前向きに取り組み続け、笑顔を絶やさない彼らの姿を見ているとこっちまでハッピーな気持ちに。そしてたどり着いた最高のステージ。彼らのパフォーマンスをみた若者ダンサーの言葉、「僕も歳をとっても踊っていたい」の一言が心に残る、感動の1本。

 

元軍人 vs 暗殺者 究極の闘い

『スタンドオフ』 

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ミッドシップより4月5日リリース

©2015 STANDOFF THE MOVIE INC.

【STORY】両親を亡くした一人の少女、バードは墓参りの最中、偶然暗殺現場を目撃してしまう。暗殺者に追われる身となった少女はある家に駆け込むが、そこは元軍人の家だった。彼は少女を守るべく、暗殺者に立ち向かう…。

【オススメCOMMENT】偶然、暗殺者の顔を見てしまったばっかりに命を狙われている少女、バード。彼女が助けを求め駆け込んだ場所は、元軍人の家だった?! 一つ屋根の下、極悪な暗殺者と孤独な元軍人の激闘が始まる! 立場は違えど、戦闘のプロである双方が繰り出す、サバイバル的応急処置法や巧みな戦術に関心しつつ、手に汗握る展開に終始釘付け。助けも呼べない状況下、残されたたった一発の銃弾で元軍人は少女を守れるのか。1秒たりとも目が離せない、究極のワンシチュエーションバトル!

 

■前回の誰シネ(3月リリースタイトル)はこちらから

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