◆2月27日公開の映画、「偉大なるマルグリット」
(C) 2015 – FIDELITE FILMS – FRANCE 3 CINÉMA – SIRENA FILM – SCOPE PICTURES – JOUROR CINÉMA – CN5 PRODUCTIONS – GABRIEL INC.
フローレンス・フォスター・ジェンキンス(1868年~1944年)。彼女の名前をご存知だろうか。史上稀に見る「音程・テンポ・リズム」と三拍子揃った、正に「三冠王」的大音痴だったにもかわらず、そのたぐいまれな魅力によって、熱狂的な多くのファンに愛され、遂にはカーネギー・ホールでリサイタルまで開いてしまったという、ソプラノ歌手だ。音程や調性などものともしない自由で圧倒的な歌いっぷりに、観客はあっけにとられ、魅入られ、しまいにはその毒のような魔力の虜になってしまったとか……。
今、そんな彼女の一大ブームが(なぜか)巻き起こりつつある。
舞台『「スーベニア」SOUVENIR~騒音の歌姫~』、フランス映画「偉大なるマルグリット」、そして、メリル・ストリートがジェンキンス夫人に扮する、現在製作中の伝記映画と、ジェンキンス夫人を題材にした舞台や映画が次々と発表されているのだ。
亡くなって70年以上経った今もなお、人々に強烈な印象を残し続けている彼女の一大ブームにともない、伝説のみひとり歩きしているその生涯を、当時の新聞・雑誌記事や取材によって解き明かした評伝、「フローレンス・フォスター・ジェンキンス 騒音の歌姫」が、2月23日に発売される。
「フローレンス・フォスター・ジェンキンス 騒音の歌姫」
近年、映画化に舞台化…と(なぜか)ブームになっているフローレンス・フォスター・ジェンキンス。
「世界一音痴なオペラ歌手」と言われながらも、熱狂的な多くのファンに愛され、カーネギー・ホールでリサイタルまで開いた彼女の人生をたどる評伝の翻訳。
出版社: キネマ旬報社
価格:1,080円
【以下本文より】
あまりのひどさに誰もがわらって(そしてげんなりして)しまう。
……ジェンキンスの歌唱は、歌において想像しうるあらゆる欠点、あらゆる失敗のカタログだ。(ヴォーノン・A・ハワード)
素晴らしいわ、これ以上改善のしようがない。(録音された自分の声を聴いて、マダム・フローレンス本人の言葉)
彼女の全体像はいまだとらえようもなく、多くの人々をいまなお惹きつけ、インスピレーションを与えつづけている。(訳者あとがき)