2025年の日本映画。少年院で知り合ったイクトとリョーマ。少年院で講演した朝倉未来に感銘を受けブレイキングダウンのリングを目指す。退院後ふたりは金属加工の工場で働きながらキックボクシングのジムに通い鍛え始める。しかし吉祥丸が率いる不良たちに絡まれたり、さらにはリョーマの中学時代の同級生でかつて吉祥丸とつきあっていた由希奈が半グレ集団クリシュナに絡まれたのを助けようとした吉祥丸が捕まり拉致される。助けてくれと仲間から頼まれたイクトとリョーマだったがその日はイクトがブレイキングダウンの最終オーディションでの戦いの日だった。リョーマは会場に向かうことを勧めたがイクトは助けに行くことを選択する。イクトやリョーマたちがクリシュナのアジトに殴りこむが劣勢だった。それでも吉祥丸の仲間たちも駆けつけ、クリシュナのリーダー御堂と戦うイクト。腕の骨を折られても果敢に立ち向かうイクトに御堂は気絶した振りをして皆を帰すのだった。ブレイキングダウンの会場にたどり着いたイクトだったが腕を骨折しているので代わりにリョーマを参加させるよう朝倉にかけあい、リョーマがリングに上がるのだった。
三池監督にしてはなんか中途半端だったなあ。GACKTが演じた御堂は超強いのはわかったけど、なぜにイクトにとどめを刺さずやられた振りをしたのか。意気に感じたのならなぜその前に戦いを中断させなかったのか。御堂の手下たちはなぜに御堂がやられた時点で戦いを中止したのか。せっかくの格闘シーンなのに背景がよくわからず楽しめなかった。しかし普通にこんな人たちが跋扈しているなんて恐ろしい世の中だなあ。腕に自信のある不良がボクシングや格闘技の世界に入っていき、最初は打ちのめされるが練習を積んでのし上がっていくという物語は、この先も廃れないんだろうなあ。若手俳優の登竜門にもなるんだろうなあ。でもいろいろ工夫して格闘シーンを楽しめるようにするとか、物語に厚みを持たせるとかしないとつまらない作品で終わってしまう気がする。この作品も設定はいろいろ考えてそれぞれに結構重い背景を作ってあるんだから物語にもっと深みを持たせればただの格闘映画より一歩先んじた作品になったんじゃないかと思うとちょっと残念でした。