許されざる者(1992)

ゆるされざるもの|Unforgiven|Unforgiven

許されざる者(1992)

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レビューの数

127

平均評点

78.3(853人)

観たひと

1356

観たいひと

105

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 西部劇
製作国 アメリカ
製作年 1992
公開年月日 1993/4/17
上映時間 131分
製作会社 マルパソプロ作品
配給 ワーナー・ブラザース映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビー

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

銃を捨て密かに暮らしていた老ガンマンが、賞金稼ぎのために再び銃を取る姿を描く西部劇。92年度アカデミー賞最優秀作品賞、監督賞、助演男優賞、編集賞受賞作。監督・製作・主演は「ルーキー」のクリント・イーストウッド。エグゼクティヴ・プロデューサーは「ホワイトハンター ブラックハート」のデイヴィッド・ヴァルデス。脚本は「ブレードランナー」のデイヴィッド・ウェップ・ピープルス、撮影は「バード」のジャック・N・グリーン。音楽はレニー・ニーハウスが担当。共演は本作でオスカーを受賞した「ミシシッピー・バーニング」のジーン・ハックマン、「虚栄のかがり火」のモーガン・フリーマン、「ジャガーノート」のリチャード・ハリス、「ピンク・キャデラック」のフランセス・フィッシャーなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1880年、ワイオミング。列車強盗や殺人で悪名を轟かせていたウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)は、今では銃を捨て2人の子供と農場を営みながら密かに暮らしていた。しかし家畜や作物は順調に育たす、3年前に妻にも先立たれ苦しい生活だった。そんなマニーのもとにスコフィールド・キッド(ジェームス・ウールヴェット)という若いガンマンが訪ねてくる。彼は娼婦フィッツジェラルド(アンナ・トムソン)に重傷を負わせた2人のカウボーイを倒して、一千ドルの賞金を得ようとして考えていた。一緒に組もうと誘われたマニーは11年ぶりに銃を手にする。マニーのかつての相棒ネッド・ローガン(モーガン・フリーマン)が同行することになり、3人は町へ向かった。その頃、保安官のリトル・ビル・ダゲット(ジーン・ハックマン)は強引なやり方で町を牛耳っていた。伝説的殺し屋のイングリッシュ・ボブ(リチャード・ハリス)と同行していた小説家ボーチャンプ(サウル・ルビネック)を暴力的に町から追放するダゲッド。マニーら一行が町に到着すると、ひとり酒場にいたマニーをダゲットは激しく殴りつけ、重症を負わせる。そんなマニーを献身的に看護したのは傷つけられた娼婦のフィッツジェラルドだった。立ち直ったマニーはローガンとキッドに追いつき、追っていたカウボーイを発見して1人を射殺するが、ローガンはもう人をてないと悟り、マニーらに別れを告げた。カウボーイたちの家を見つけ、残るひとりを仕留めたキッドは、マニーに初めて人を撃ったと告白する。その頃、町では殺人罪で捕まったローガンがダゲットの激しい拷問にあい、命を落としていた。賞金を受け取る際にその話を聞いたマニーは、キッドから拳銃を受け取り、子どもたちとローガンの妻とキッドの4人で賞金を分けるように言うと町へと向かった。酒場の前にローガンの死体が放置されているのを見たマニーは店主を射殺して銃撃戦になり、遂にダゲットと対決して彼を倒した。そして子どもたちの待つ家へマニーは帰っていくのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2019年9月下旬特別号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第5弾 1990年代外国映画ベスト・テン:ベスト15 解説

1993年6月下旬号

外国映画批評:許されざる者

1993年6月上旬号

外国映画紹介:許されざる者

1993年4月上旬春の特別号

巻頭特集 許されざる者 UNFORGIVEN:クリント・イーストウッド インタビュー

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1993年3月上旬号

グラビア《Special Seleciton》:許されざる者

2024/02/24

2024/02/25

100点

購入/ブルーレイ 
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総決算

ネタバレ

15年振り4回目。好きな映画の割りにそれほど回数を観ていなかった。イーストウッド西部劇ばかりではなく、西部劇というジャンルの集大成といってもいいか。暴力礼賛という批判が如何に表面的で、本質を見る目に乏しいことか。
ピープルズ自身が驚くほど脚本に忠実な仕上がりだったようだが、主要4人のキャラの一面的ではない複雑さを巧みに描いており、名優陣が見事に演じて魅力的。舞台がワイオミング設定だったことをすっかり忘れていたが、陰影のコントラストが効果的なジャック・N・グリーンの撮影が支える。特に、冒頭・末尾の叙情的な画とイーストウッド作曲テーマでのギター旋律の融合。更にはそれを発展させたレニー・ニーハウスのスコアが沁み入る。

2023/10/02

2023/10/03

90点

選択しない 


西部劇最後の名作

西部劇映画へのオマージュとも感じられるある種ノスタルジーも感じられる名作です。何度見てもイーストウッドの演技には惚れ惚れ。アカデミー監督賞も素晴らしいけれど、主演男優賞も授与して欲しかった。

2023/09/07

2023/09/10

75点

テレビ/無料放送/テレビ東京 
吹替


クリント・イーストウッド、モーガン・フリーマン、ジーン・ハックマンと揃い踏み。女子供を容赦なく殺した過去のあるマニーが、子供を育てるためのお金のために再び賞金稼ぎに出かける。あまり気の進まない旧友のネッドも誘う。マニーを誘ったキッドは強い近眼で銃を撃つのは難しい。3人で狼藉者をやっつけてめでたしめでたしとなれば良かったが、なかなかの辛い展開。見応えがあった。

2023/09/01

2023/09/01

60点

テレビ/無料放送 
吹替


定かでなく見極めがたいこと,つまり近眼

人殺しで手のつけられない悪党だったとされる父マニー(クリント・イーストウッド)は2週間で戻ると子どもたちに告げるが,実際に2週間で戻れたのかどうか,定かではない,マニーは金のために殺しもしたというが,彼の名マニーは,どこか金と胡散臭さを連想させる.
近眼のスコフィールド・キッド(ジェームス・ウールヴェット)も5人殺したと言い,自分を大きく見せているが,近眼であるためか大きくも見え,小さくも見える.彼は後半で,やっとのことで人を殺すが,事の大きさに震え,酒を飲み,饒舌になり,結局は殺しの稼業でもある賞金稼ぎから足を洗おうという気分になっている.しかし,実際に足を洗ったかどうか定かではない.
スキニー(アンソニー・ジェームズ)はマニーにいきなり撃ち殺される.何か悪いことをしたのであろうか.悪いことをしていなければ撃たれないというわけでもないが,強いて言えば,店の前に棺桶を掲げ,その中に死体を飾り立てていることの罪があったとも言える.ネッド・ローガン(モーガン・フリーマン)の妻サリーは呪う目でマニーを見ていたという.そのせいかネッドとマニーの相棒同士である二人は落馬してしまう.黒いマフラーをして,雲の様子を見ていたマニーは荒れ模様の予感を隠せない.雨の中,ビッグ・ウィスキーの街の酒場にマニーらはたどり着くが,彼らはどうしても呪われてしまったようである.マニーは熱があるように汗をかいて震え,銃を持っていないと言い張り,リトル・ビル(ジーン・ハックマン)に銃を奪われ,蹴られ,這いずり回っている.マニーの前には,嘘つきなのか本物なのか定かではないイングリッシュ・ボブ(リチャード・ハリス)は,リトル・ビルにひどく蹴られ,檻の中で寝転んでいる.尿を漏らすブーシャンプ君(サウル・ルビネック)は西部を物語化し,こうした真偽定かでない男たちの武勇伝を流布しようとしている.ブーシャンプ君は,しかし雨に撃たれながらもマニーの所業を目撃しようと眼鏡を掛け直している.リトル・ビルの日常的な暴力や,彼がビッグ・ウィスキーの街に流れてくる者たちから奪う銃という暴力は,そうした数々の物語を陳腐化しようとしている.
娼婦デライラ(アンナ・トムソン)の傷は果たして物語として語り継がれることになるのだろうか.

2023/05/10

78点

レンタル/大阪府/TSUTAYA 
字幕


西部劇

荒野の用心棒あたりをイメージしてたけど、老いた男の復活劇だった。

1993/05/04

2023/01/15

80点

映画館 
字幕


元非情の殺し屋だったイーストウッドは、3年前に妻に死なれ、幼い二人の子どもと山間で豚を飼って生活している農夫であるが、近くの町の酒場の売春婦の顔を切った牧童二人のクビに賞金がかかって(売春婦の仲間が依頼したものだ)いることを賞金稼ぎの若者から聞く。実は、この若者が賞金稼ぎの相棒にと誘ったのだが一旦は断る。子どものために金が欲しいイーストウッドは、十年ぶりにピストルを試射するがタマは空を切るどころか、馬からは転落する始末。昔の友人のモーガン・フリーマン、若者と三人で賞金首を狙う・・・。町の保安官にハックマン。賞金稼ぎにやってきたイギリス人(リチャード・ハリス)を徹底的に殴り、蹴り続ける。ガンマンを町に入れないためだ。町に入った三人だったが、イーストウッドは、ハリスと同様保安官に痛めつけられ、瀕死の傷で逃れる。彼らを助けたのは、顔を切られた売春婦だった。牧童一人を狙撃して殺したもののフリーマンいざという時にはガンが撃てないまま去る。若者は近視で遠くは全く撃てないのだった。フリーマンは保安官に捕らえられ激しい拷問を受けて遂に死ぬ。それを知らぬ二人は牧場に潜む牧童を襲う。トイレに入った牧童を撃つ若者。これが初めての殺しだったのだ。殺人を後悔する若者は、拳銃を捨て去って行く。フリーマンの死に復讐するため、イーストウッドは町へ。「1」対「町」の闘いだが、一瞬のうちに保安官を含め五人を倒したイーストウッドは、町を去って行く。ファースト・シーンは、夕陽をバックに小さな小屋と木、その脇の墓にたたずむイーストウッドのシルエットだが、ラストシーンも同じだ。ただ、イーストウッドではなく、妻の父親である。ナレーションで「父親は、こんな極悪な男と結婚した娘の気持ちは未だに分からなかった」と」かぶさる。また、「父親が訪れたとき、そこには夫と子どもは既に居なくて墓だけが残っていた」とも。「西海岸で商売に成功したという噂である」。久々の本格西部劇である。がっしりした構成で隙のない(ムダのない)力作と言える。人を殺すこと、傷つけることへの強い人間的な当たり前の嫌悪がうまく描かれている。今まで、「ダーティ・ハリー」やマカロニウエスタンなどで”殺しまくってきた”イーストウッドの本当はそうじゃないんだという心根を垣間見せたものか。そう言えばラストのクレジットで、「この映画をレオーネとドンに捧げる」とあった。セルジュ・レオーネ(「夕陽のガンマン」など)とドン・シーゲル(「ダーティ・ハリー」など)であろう。二人へのオマージュでもある。全体的に夜の暗いシーンが主体であるので映画も暗い感じがするが、ストーリーは”明るい”のである。秀作。<1993/5/4 小倉ピカデリー>