この映画のラストは「山椒大夫」のオマージュだけど「イメージの本」では「雨月物語」の一場面を挿入していた。
「勝手にしやがれ」よりは分かり易いとは言え、やっぱりよく分からない作品である。だから大雑把に考えて「勝手にしやがれ」と本作は若者の無軌道ぶりを支離滅裂に描いたものと解釈しておく。
しかし遺作の「イメージの本」を観ても相変わらずのゴダール節にはまいった。普通なら歳を重ねると人間丸くなったりして優しく分かり易く描きそうなものを、解説の暴力についての映画というのを知らなかったら、一体この映画は何を表現しているんだ?ということになる。老いてもこんなに尖がった映画を撮るんだから、このブレない作家魂、好きな監督じゃないけど恐れ入りましたと頭を垂れるよ。
わかりにくい映画だけど、ジャン・ポール・ベルモンドのカッコよさとフランス映画らしくファッションは古くてレトロ感覚でおしゃれに思うところは理解できた。ベルモンドは娯楽映画派でこのゴダールの作品には否定的である。この頃はベルモンドも若手であったから、素直に仕事をこなしていくという姿勢を取っていた模様。その後、スタントマンに頼らず、自らアクションをこなすアクション・スターになりました。