キッド(1921)

きっど|The Kid|The Kid

キッド(1921)

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レビューの数

77

平均評点

79.5(373人)

観たひと

583

観たいひと

32

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ
製作国 アメリカ
製作年 1921
公開年月日 1921/7/30
上映時間 68分
製作会社 ファースト・ナショナル映画
配給 松竹
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダ-ド
アスペクト比 1:1.33
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 無声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

チャールズ・チャップリンが親子の情愛を描いたヒューマンコメディ。共演はジャッキー・クーガン、エドナー・パーヴィアンス、トム・ウィルスンほか。無声。1971年にチャップリン自身の編集・作曲によるサウンド版(53分)が製作された。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

朝の散歩の途中で捨て子を拾ってしまったチャーリーは、その子を育てるはめに。5年後、成長した男の子はチャーリーの仕事を手伝い始める。一方で赤ん坊を捨てた女性はその後成功し子供を捨てたことを後悔する日々を送っていた…。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2024/11/08

85点

VOD/U-NEXT 
字幕


笑いと涙

ネタバレ

チャップリンは貧しさの中に暖かな笑いを取り入れるのが本当に上手い。
実は幸せのハードルを低くすることこそ、人生を豊かにする秘訣なのかもしれない。
薄いパンケーキを何枚も重ねてキッドと二人で分け合う姿は、可笑しくもあり心がジーンとさせられもする。

捨てられた赤ん坊を見て見ぬふりするか、それとも拾って育てるか、はたまた誰かに押し付けるか。
そんなやり取りだけで笑いを取ることが出来る、彼の身体表現の素晴らしさを改めて実感させられた。

映画史上初めて喜劇と悲劇の融合が効果的に取り入れられた作品とされているが、笑いと涙は紙一重でもある。
この映画に登場する場面はどれも滑稽であり、同時に物悲しくもある。

貧しくても逞しく生きていくことを象徴するかのような、チャップリン演じる放浪者とキッドの詐欺まがいのガラス修理の場面も印象的だった。

献身的にキッドを育ててきた放浪者が、まるで悪者かのように警察官や孤児院の職員に乱暴される展開は心が痛む。

50分と短めの作品ではあるものの、ひとつひとつの場面にドラマが凝縮された見ごたえのある作品だった。
終盤の放浪者の夢を表現したアバンギャルドな場面は良く分からなかったが、放浪者にとっても、キッドにとっても、そしてキッドを捨ててしまった若い母親にとっても、最高に幸せな結末に心が暖かくなった。

2024/08/15

2024/08/15

70点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


剥き出しのヒューマニズム

夏期休暇前半戦、岡山の両親宅を拠点に四国へ回った。還暦プロジェクトの一環として愛媛県の旧・松下寿電子工業西条事業部と初めて一人暮らしをしたマンションを25年ぶりに再訪。その足で妻の出身地である香川県へ移動。三越時代の妻の仲良し4人組の30数年ぶりの奇跡の再会に立ち会った。因みに小川淳也事務所は盆休みで閉まっていた。

さて名作の誉れ高い『キッド』。素直に103年前に映画が存在したことが尊いと感じる。初期作品のためか流れるような展開でファンタジー調のストーリーが紡がれる。虚飾を取り払った剥き出しのヒューマニズムに溢れている。後年のような並外れた批判精神や重厚感は感じられないが素材だけで勝負した心意気は潔い。

2024/05/19

2024/05/21

80点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
字幕


チャップリンの夢

かなり以前に劇場で見ています。涙が出そうになったのを覚えています。喜劇というより、予定調和的なハッピーエンドの物語ですが、シンプルな展開が心地いいです。

 写真が焼かれても無関心で、父母の関係が冷めていることを示します。迷ったあげく、母親は子供を捨てます。

 チャップリンは捨てられたこの子と離れようとしますが、それが上手くいかず、育てることを決意します。

 何年か立って、この子がガラスを割り、新しいガラスを持ったチャップリンが近くを通って稼ぎにありつくのです。

 一方、母親の方は女優として成功し、慈善事業をしています。親子がそれとは知らず、出会うところは、心がざわめきます。

 その後、子供が熱を出して、医者とのやりとりで捨て子ということで孤児院に収容されそうになります。この時の子役の演技に圧倒されます。

 チャップリンがかろうじて連れ戻し逃げますが、子供は警察に連れて行かれ、母親のもとに帰ります。

 絶望のチャップリンが夢を見ます。皆が天使の羽をつけています。が、悪魔がささやくと、その通りになってしまいます。警官が発砲、チャップリンは銃撃死です。

 最後、チャップリンは母親のもとを訪ね子供とも会い、めでたしめでたしなのですが、その前のこの夢のシーンが大変印象に残りました。母親が子供を捨てたのも、この悪魔のささやきがあったのでしょうか。

 セリフは一切なし、見てるだけで全てがわかります。すごいものです。

2024/05/11

2024/05/11

70点

VOD/U-NEXT 


チャップリン作品と向き合う①

ネタバレ

・初の無声映画でチャップリン作品
・セリフがないからこそ身振り手振りで伝える演出 警察や近所の強い兄などの力のある人間に対し、コミカルでひょうひょうと小ばかにして対応するわかりやすい展開 これぞ活劇、上映当時の状況を考えるとアイデアがあふれている
・冒頭の母親の子供を置いていく展開、チャップリン貧しいながらもしっかりした絆でつながれた疑似親子、母親との再会、王道の流れで満足できる
・チャップリンと引き離され孤児院に引き取られる場面での子供の演技が何より素晴らしく、音声が無いが心つかまれる
 
・ラスト直前、子供と引き離されたチャップリンが夢で見るドリームランドは唐突でした
 

2024/04/28

2024/05/04

78点

VOD/U-NEXT 
字幕


チャップリンをちゃんと見よう①

恥ずかしながら、チャップリンをしっかりと観たのは2本だけ。遅まきながら、今回U-NEXTで再配信されたのきっかけに、ちゃんと鑑賞する事にしました。

無声ながら全くそれを感じさせない完成度。映像と音楽だけでこれだけ表現できるのは、やはり天才と言われる所以か。
もっとハートフルかと思ったら、意外とコメディ寄りで、それも名子役ジャッキー・クーガンのチャップリン顔負けのお調子演技のお陰。
色々と脱帽させられました。

2024/04/19

2024/04/20

70点

VOD/U-NEXT 
字幕


「天才少年ジャッキー・クーガン共演」

U-NEXTにチャップリンものが大量に追加されてたんでとりあえずこれ。
有名な作品だが未見。
もっと感動作寄りかと思ったがコメディ強め。
子役素晴らしい。
さらっと父性をくすぐってくるのがうまい。