『パッチギ!』
(박치기)
2004
シネカノン・ハピネットピクチャーズ・衛星劇場・メモリーテック・スターダストピクチャーズ
「エレキは横山ホットブラザーズに任しといたらええねん。これからはフォークや」
「ホーク?」
「フォーク!ザ・フォーク・クルセイダーズや」
「お前、淀川のシジミ食った事あるか?土手の野草食ったことあるか?ウリナラで田植えしとった。紙切れ突きつけられてトラックに放り込まれたんよ。ハルモニ泣いとった。田んぼひっくり返って泣いとったよ。釜山から船で海飛び降りて死んだろうか思った。国が空っぽになるほど連れて来られたよー。お前ら日本のガキ何知ってる?知らんかったらこの先ずっと知らんやろ。馬鹿タレ。わしらはお前らと違うんやぞ」
「朝鮮総連、韓国公安、最後には警視庁のトップと内閣調査室までが東芝レコードに乗り込んできてやな、これは要注意歌謡曲になってんやぞ!」
「表現の自由でしょ」
「サラリーマンに自由なんかあるかい」
「日本国憲法知らないんすか?」
「憲法なんかどうでもええ!」
「バカ!どんな理由があろうとな、歌ったらあかん歌なんかあるわけないんだ!」
連続テレビ小説『虎に翼』で朝鮮人差別が描かれていたので観てみた。
1968年の京都で繰り広げられる朝鮮人と日本人高校生の痛快で切ない青春物語。
冒頭の九州の修学旅行生と朝鮮高等学校生のバトルが痛快過ぎて大笑いした。
作詞家・雑誌編集者松山猛の『『少年Mのイムジン河』』が原案。松山猛の本は中学生時代を描いているが映画は高校生を主人公にしている。
主人公が一目惚れした朝鮮高等学校の吹奏楽部でフルートを吹く美少女の兄は朝鮮高等学校の番長だった。
『ロミオとジュリエット』的に始まった恋。映画は二人の恋だけではなく群像劇として進んでいく。
朝鮮の人達が味わった苦しみも描かれていてとても充実している。ただし在日コリアンを演じてるのは日本人俳優ばかりなのは少し残念。
高校という同じハコで過ごしている彼らも一人一人違った道に歩み出していく。
軽快なセリフのやり取り。パンチが効いたアクション。何回も爆笑した。
70年安保闘争の時代を描いているが学生運動は「ええとこのボンボンの革命ごっこ」という描き方。それも一つの見方だなとは思う。
そして公開から20年経過して重要な役で出演して映画賞を取った俳優たちの中には映画・TVの世界から姿を消した人達もいる。
高岡蒼佑
沢尻エリカ
木下ほうか
小出恵介
坂口拓
人生どうなるか、分かりませんね。