高島礼子をトラックの運ちゃんのまんまだと、東映の「トラック野郎」と被るのが嫌だったのかな?
朝原雄三監督はシリーズ初演出となる。これ以降、最終作まで連投している。朝原監督は西田敏行と三國連太郎に脚本通りに演じてくださいと頼んだという。これは脚本を書いているのが山田洋次なので、「男はつらいよ」や「学校」シリーズで助監督を勤めていたので、彼に遠慮したのだろうと思われる。一作目から製作担当だった岩田均は、朝原監督に「ふたりのアドリブにまかせておけばいい」と叱責した。岩谷は朝原が山田洋次の傀儡だと思っていたのだとか。朝原監督は「山田洋次とは違う朝原流で演出をするから」と岩田を説得したという。
なるほど主役ふたりはアドリブでやっていたのか。だからふたりとも本シリーズでは調子が良かったのだ。本作は西田がおおいに歌ったりするけど、これもアドリブなんだろうか。脚本どおりなのか。珍しくみち子さんからハマちゃんに迫るのだが、そこがエロっぽい演出で笑わせる。山田としては異色だけどどうなんだろう。
今回は三宅裕司と高島礼子がゲスト。三宅は朝原監督とは「サラリーマン専科」シリーズ三本で組んでいるから、キャスティングされたのかな。高島は気の強いトラックの運ちゃんなので面白くなりそうだと思ったが、ひきこもりの子供がいたり、宿屋もやっているというところなのが残念。気の強いトラックの運ちゃんとハマちゃんの上司
にした方が、いろいろと面白く出来そうなんだがなあ。