結論から言えば、ゾンビ映画である必要性はなかったと思う。奇を衒わずに未知のウイルスと戦うオーソドックスなパンデミック物として描ききるべきだった。未だ収束を見ないコロナ禍を経験した今だからこそ、特にそう感じるのかもしれないが。
前半は映画的なスケール感と緊張感が相乗効果をなし上々の仕上がりだった。ブラット・ピットが研究所に辿り着きゾンビと対峙する辺りからB級映画テイストが増し失速を開始する。
個人的な嗜好にはなるのだが、俳優が特殊メイクを施し奇怪な声を挙げるゾンビはかなり滑稽に感じる。モブシーンならともかくゾンビ単体で見ると気恥ずかしくて仕方ない。肝心のブラピの髪型も似合っていないが、ブラピ以外、重石となる著名な俳優が見当たらないのは物足りなかった。