暴力脱獄

ぼうりょくだつごく|Cool Hand Luke|----

暴力脱獄

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レビューの数

61

平均評点

73.2(302人)

観たひと

464

観たいひと

29

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1967
公開年月日 1968/8/3
上映時間 127分
製作会社 ワーナー・ブラザース・セブン・アーツ
配給 ワーナー・ブラザース・セブン・アーツ
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

実際に牢獄生活を送ったことのあるドン・ピアーズの小説を、彼自身とフランク・R・ピアソンが脚色、テレビ「裸の町」「アンタッチャブル」などの演出をしていたスチュアート・ローゼンバーグが監督した脱獄もの。撮影はコンラッド・ホール、音楽はラロ・シフリンが担当した。出演は「引き裂かれたカーテン」のポール・ニューマン、「夕陽よ急げ」のジョージ・テネディ、「エデンの東」のジョー・ヴァン・フリートとディック・ダバロスほか。なお、原作者のドン・ピアースが技術顧問を買ってでているが、彼は囚人の一人に扮して経験者ならではのリアルな芝居もしている。製作はゴードン・キャロル。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

酔ったあげくに街のパーキングメーターをやぶったルーク(ポール・ニューマン)は懲役2年の刑を言い渡された。刑務所仲間はドラグライン(ジョージ・ケネディ)ほか強面の連中ばかりだったが、それ以上に、彼らを見守る看守の面々も猛者ぞろいだった。囚人と看守の間には絶えず反目と憎悪の空気が絶えなかった。新入りルークの仕事は、炎天下に雑草を刈り溝を掘るという重労働だったが、彼の新入りらしからぬ図々しくて、容量のいい態度は仲間の反感を買い、とくにボスのドラグラインは気に入らなかった。ある日2人は命をかけての殴り合いとなり、ついにルークが勝った。囚人のリーダーはドラグラインからルークの手に渡ったのである。数日後、ルークの母(ジョー・V・フリート)が訪ねてきた。面会時間が切れて、病に老いた母の後ろ姿を見送った時、ルークは、母に会うことはあるまい、と思った。そして、母の死を知らせる電報が来た時、彼は泣いた。3日後、ルークは脱獄した。逃げに逃げたが結局は捕まってしまった。ひどい懲罰を受けた。だか彼は再度脱獄。そしてドラグラインに、“冷たい手のルークより”と署名した手紙さえ送ったきた。監房の連中は口惜しがったが、ひとりとして怒るものはいなかった。自由になったルークこそ彼らの願望の体現者なのだから。しかし皆の期待を裏切ってルークはまた再び捕まってしまった。厳重な足かせをはめられ独房にほうりこまれた。それでも彼は反抗をやめない。そして、三度脱獄。今度はドラクラインも一緒だった。だが途中で2人は仲間割れ。ドラグラインは1人になり急に恐くなった。死にたくない。ルークも死なせたくない。半分は親友への愛から、半分は恐怖からルークの居場所を密告した。瀕死の床でルークは、医学的な治療をすべて拒絶した。迫りくる死を待つ彼の表情は美しくさえあった。今日も囚人たちは炎天下で働いている。言葉ををかわさない彼らの胸の中には権威に反抗し続けて、屈することを知らなかった冷たい手のルークが生きている。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2022年11月上旬号

ポール・ニューマンという伝説:「暴力脱獄」

1968年4月下旬号

新作グラビア:暴力脱獄

外国映画紹介:暴力脱獄

2023/01/29

2024/08/30

60点

映画館/群馬県/シネマまえばし 
字幕


なぜ?が付きまとう作品

その疑問に対する答えを自分なりに見つけて整合性をつけるしかないんだろうな。

主人公はなぜパーキングメーターをパイプカッターで切断してたのだろうか?

主人公はなぜ突然脱獄を繰り返すようになったのだろうか?

いずれも『自由でいたい』という気持ちの表れなんだろうか?
決まった場所に駐車しなくても良いじゃないか!という思いと
刑務所職員の言いなりになりたくないという思いの表れで脱獄を繰り返すようになったのか?
監視され続ける環境にいることに嫌気がさしたという事なのか?
だったらまずパーキングメーター壊さなければよかっただけのはず。

帰りたいと思うときに帰りたい場所に帰れない状況が
そしてそんな場所に自分を置いてしまったことへの後悔が
脱獄を選ばせたんだろうか?

彼の胸の内は、現世からも解放されたかったのだろうか?
銃の名手の看守とのアイコンタクトがそれを願っていたように感じられた。

2024/06/17

2024/06/17

-点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


ポール・ニューマン

ネタバレ

一緒に逃げた相棒は人間の証明、復活の日にも、出ているみたい、神を信じていない、ポール・ニューマン最後まで笑っていて、かっこいいです。

2024/06/13

2024/06/15

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


何が脱獄に駆り立てる

 以前はテレビでよく放映されており、何度か観たことがある。細かいことは忘れてもポール・ニューマンが卵を50個食べるシーンは覚えている。
 ニューマンが演じるルークはささいな事件を起こして刑務所に入れられる。酔っぱらってパーキングメーターを壊し、懲役2年の刑だから大物とは言えない。刑務所には古株の囚人らが手ぐすね引いて新入りを待っている。古株の中でも牢名主的存在なのがドラッグ(ジョージ・ケネディ)で、一切合切を仕切っている。そんな彼でも看守には頭が上がらない。刑務所長を筆頭に、常にサングラスをかけている射撃の達人。彼の表情は見えず、ミラーサングラスに映る光景しか見えないのが不気味だ。そして宿舎の監督。いずれも高圧的で規則で縛り、従わない者は懲罰房送りにする。
 囚人らは日中は屋外できつい作業をし、夕方に宿舎に戻り、入浴、夕食後の就寝までのわずかな時間で余暇を過ごす。タバコは吸えるし、賭けポーカーでは現金が飛び交う。意外と自由なことに驚いた。
 ドラッグとルークがぶつかった時もケンカはできないので、スポーツの一環としてのボクシングで闘う。所長や看守、囚人らが見守る中、対戦するが、体力に勝るドラッグが一方的に殴る。何度ダウンしてもルークは起き上がり、決してギブアップしない。これにはドラッグも根負けし、試合を打ち切ってしまう。この一戦以来、ルークはドラッグに気に入られ、みんなから一目置かれるようなる。冒頭書いた卵の一件でルークはますます株を上げる。
 しかし出る杭は打たれる。脱獄も試みたことで、看守らの標的にされ、徹底的に痛めつけられる。看守らの理不尽な仕打ちにさすがのルークも音を上げ、従順になるものの、虎視眈々と脱獄のチャンスをうかがう。ルークは逃げ延びるために知恵を振り絞り、何度も脱獄を試みる。ここまで彼を駆り立てるものは何か。母親の弔いだけではないだろう。その点を知りたい。

2024/06/14

2024/06/15

76点

選択しない 


P.ニューマン・スマイル

脱獄物ですが、脱獄後の生活や経緯は一切描かれず、捕まって連れ戻され処罰を受ける部分が描かれます。しかしどんな状況でもルーク( P.ニューマン)が見せる笑顔とその反骨精神が囚人たちの救いになっていきます。ラストは悲劇ですが、(T.クルーズ・スマイルがとても苦手な私にとって)ポール・ニューマンのスマイルは胸のすく印象でした。

2023/11/11

2023/11/11

55点

選択しない 
字幕


ルークの脱獄を繰り返す理由が伝わらない(^^;;

とにかくタイトルがひどい。内容と全く合ってなかった(^^;;

刑務所の中の生活で、不自由な中でも労役作業を楽しんだりポーカーやったり、それなりに楽しむことで囚人たちの人気者となっていくルーク(^^;;囚人のリーダー格であるドラッグにも気に入られる。母親の死を知り、思わず脱獄するルーク。しかし暴力は使わず、暴力的なのは看守たちの方ですね(^^;;

看守の人権を無視したリンチに近い仕打ちは酷い。しかしルークが脱獄を繰り返す理由も伝わってこない。モヤモヤが残ったまま、勝手についてきたドラッグに裏切られて物語は終わります(^^;;

2023/11/06

2023/11/02

83点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


社会派作品の傑作。What we've got here is failure to communicateは(本当は)誰に向けて発せられているのだろう

社会に上手く適合出来ていないと自分自身で思い込み、生き辛さを感じているルーク(ポール・ニューマン演じる)の生き様を描いた作品。ルール・規則などに縛られるのが性に合わないと感じているのだが、そのアウトロー振りが格好良く、何の準備も無く、事に臨む姿(J・ケネディとのボクシング、ポーカーなど)が徐々に周囲の共感を呼び起こし、人気ものになる。それが端的に現れたのが、道路舗装を一気にやり遂げた時であり、卵50個を食べきった時で頂点に達する(何てったって、食べ終わって横たわる姿が、キリストの磔られた姿を体現していた)。前半の刑務所内での、この様な人間模様がとても生き生きと描かれており、好感が持てた。また、母親との面会シーンも良かったなぁ。母親は、「エデンの東」の母親の様な感じ(娼婦的な商売をしていたと感じさせる)だが、ルークが唯一頭が上がらない相手(大好きだという気持ちを隠さない相手)だと感じさせた。
原題はCool Hand Luke。ルークのポーカーでのクールな勝ち方を見て、J・ケネディが命名したのだが、そのポーカーフェイスを称して、Luke smileという言葉も生み出す。Luke smileは、まさにポール・ニューマン自身のはにかみ笑顔だと感じる(うちに抱えているモヤモヤ感や不満・いらだち等を隠し、クールな自分を装うが、それを装いきれない時に出てしまう笑顔)。アメリカン・ニューシネマを体現している彼にぴったりの笑い顔だ。
後半は脱獄を繰り返すことになる。ルークの本当の悩みが垣間見られたり、刑務所ではあんなに威張っていたJ・ケネディが無力だったりと、社会と個人の価値観の関わりなんかが描かれていた。都合の悪いことを隠ぺいする組織なども、、、