・ロッキー作品一気見 ロッキー6作品の遺産を余すことなく丁寧に生かしながら現代のレベルでアップデートされている すきがなく完璧な作品
・何物でもないアドニスの成長をロッキー1を下敷きに描いている 鼻っぱしの強く若気の至りにあふれているアドニスが、ロッキーと同じようにタイトル戦に挑戦し、勝利はしないもののスターダムを駆け上がる ロッキー1と同じながら現代版にアップデートされたすべてが気持ちいい
・アポロの名の重しと隠し子の子というアドニスのレッテルに、ロッキーはリンパのがんに侵され死んでいったエイドリアンと同じ病気に 両者ともに立ち向かう後半の展開は熱く、シリーズの胸アツのトレーニングシーンと合わさりエモーショナルに描かれる
・過去作の場面の引用(レストラン エイドリアンズ、飼育しているカメ、椅子に座っての墓参り、フィラデルフィアの街並み、町の人からの応援)が丁寧で気持ちいい
・はるかにアップデートされた映像表現 遠近感の見せ方や画角の切り取り方など、カメラワークがすばらしい さらに2か所の長回しシーン(中盤のレオとの2ラウンドに及ぶ試合、コンロン戦の控室スパーリングから入場まで)が脅威の臨場感を出している
・2試合のボクシングシーンの迫力がロッキーを完全に超越している リング内にいるような臨場感、きちっとガードするリアルな試合模様
・コンロン戦の最終ラウンド ドクターの視界確認でアドニスの首をトレーナーが叩き指の数を叩いて教える熱い展開 そこからのロッキーのテーマ 完璧です
・ロッキー1をなぞりながらも本作は、あくまでアドニスとその彼女のビアンカに焦点を当てたことで新鮮な気持ちに それでいてロッキー(とアポロ)の存在感がさりげなく物語の推進力になっている絶妙なバランス
・ロッキーの手書きメモをアドニスがスマホで撮りデータはクラウド(雲)に、ロッキーがビアンカを連れてくるものの足にくることを注意する 絶妙なすかし場面も光っている