1973年製作のパピヨンのリメイク。
前作と異なりパピヨンがパリで金庫破りの名手で、ギャングのボスに依頼されて盗んだダイヤモンドから一部抜き出して恋人にプレゼントしたことがばれて殺人の罪をかぶせられ終身犯となり恋人と別れるエピソードと大洋を逃げおおせてベネズエイラ国民になった主人公がパリに戻って自伝の執筆を頼むシーンの追加が本作の原作により忠実になった違いだろうか。
ただ本作もアンリシャリエールの自伝と1973年版のDトランボ脚本をベースに脚本化しているので設定や基本的な物語は変わらない。
それでもパピヨンの強靭な不屈の魂を演じたマックイーンの姿が瞼に焼き付いているため、本作の主役もまるでマックイーンの面影を見ているようで不思議だった。
また1973年版ではJゴールドスミスのテーマ曲も印象深いためより印象深く、本作をより事実に照らした作品として構成させようとする意図は伝わるのだが、どうしても1973年版を超える感動はなかった。
それでも前作をリスペクトして誠実に製作した努力の跡は伝わる作品だった。