コレット

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コレット

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レビューの数

26

平均評点

72.1(114人)

観たひと

164

観たいひと

47

(C)2017 Colette Film Holdings Ltd / The British Film Institute. All rights reserved.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 伝記 / 歴史劇 / ドラマ
製作国 イギリス=アメリカ
製作年 2018
公開年月日 2019/5/17
上映時間 111分
製作会社
配給 東北新社=STAR CHANNEL MOVIES
レイティング PG-12
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声 5.1ch

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

フランスの女性作家シドニー=ガブリエル・コレットの半生を映画化。1893年、コレットは人気作家ウィリーとの結婚を機に、パリへと移り住む。実は自分の作品を他の作家たちに書かせていたウィリーはコレットの才能に気づき、自身の自伝的小説を書かせる。出演は、「くるみ割り人形と秘密の王国」のキーラ・ナイトレイ、「トゥームレイダー ファースト・ミッション」のドミニク・ウェスト、「ツリー・オブ・ライフ」のフィオナ・ショウ、「ジミー、野を駆ける伝説」のデニース・ゴフ。監督は、「アリスのままで」のウォッシュ・ ウェストモアランド。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

フランスの田舎町サン・ソヴールで生まれ育ったコレット(キーラ・ナイトレイ)は、14歳年上の人気作家ウィリー(ドミニク・ウェスト)と出会い、激しい恋に落ちる。1893年、コレットは結婚を機にパリへ移り住む。1890年代のパリは、ベル・エポック真っ只中の活気に溢れていた。コレットは夫のウィリーとともに芸術家たちの集うサロンへと足繁く通い、いつの間にか享楽の世界に浸っていた。しかし、派手な暮らしの裏ではウィリーの浪費癖が原因で借金がかさみ、さらに、ウィリーは編集の勉強会と称して他の作家たちに自分の作品を書かせていた。そんななか、ウィリーはコレットの才能に気づき、自身のゴーストライターとして彼女に自伝的小説を書かせる。コレットが執筆した『クロディーヌ』シリーズは一大ブームとなり、商才のあったウィリーは舞台化やブランドを立ち上げることで幅広く商品を展開することを思いつく。これらの成功によってコレットとウィリーは注目されるようになるが、コレットは自分が作者であることを世間に認められない葛藤と夫の度重なる浮気に苦しめられていた。コレットの気持ちが離れていく一方、ウィリーは新作の執筆をコレットに強制し、束縛し始める。徐々に夫婦関係が険悪になり、コレットはもっと世界に関わっていきたいと願うようになる。そして、自分を偽らずに生きる男装の貴族ミッシー(デニース・ゴフ)との出会いが後押しとなり、コレットは自らの歩むべき未来を追い求め始める……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2019年6月上旬特別号

REVIEW 日本映画&外国映画:「コレット」

2019年5月上・下旬合併号

UPCOMING 新作紹介:「コレット」

2019/06/15

2023/01/13

75点

映画館/群馬県/シネマテーク高崎 
字幕


彼女では至らず…

彼女は彼女なりに自由に生き、それに伴う苦痛も受け止めてきたこと。
それでもまだ彼女だけでは至らず
でも彼女もその力になったことは間違いない。
一人が自由に生き、それが二人になり…十人になり…という流れ。
彼女自身がその身を投じたわけではないけれど
彼女が生み出した作品が、世に拡散し、作り上げられたブームまでもが
醸成の一助になったのでしょう。

男女が社会の中で平等であること
自由に意見して良い
自由に生き方を選べる
そんな社会の流れを生み出した一人なんだろうと感じました。

別々の作品をクロスオーバー的に俯瞰してみた時
コレットの存在はきっと大きなものだったのだろうと感じます。
最近見た作品だけでも
『メアリーの総て』のメアリー・シェリーがいて、彼女が自分の意思が尊重されない生活の中での慟哭をフランケンシュタインにぶつけて…
それ以前に、メアリーの母親が『女性の権利の擁護』を書き記した方だという。
その流れの中にコレットがいて
それがやがて『未来を花束にして』で描かれるような女性の参政権への社会運動に繋がり、やがてそれが『ビリーブ 未来への大逆転』へバトンタッチされていく。

コレット自身が社会運動を指揮したわけではないし
そこにまで考えが及ばなかっただけなんだろう。
でも彼女もまた『男女が平等に在るべき』というバトンを受け取り
それを次の世代に渡した一人なんだろうと感じます。
作品を単体だけで感じるだけではなく
いくつもの作品と絡めて感じるとより味わい深いしより深くなる。
そんな作品の一つなのではないかと感じました。

2021/11/22

2021/11/23

64点

レンタル 
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コレットさんの人生は続くよ,どこまでも

フランス文學界で最も著名な作家の一人シドニー=ガブリエル・コレットさんが文筆業のウィリーと結婚し,「クロディーヌ」シリーズを執筆,そして離婚するまでを描いた作品.ボン・ソワール,三遊亭呼延灼です.とはいえ,あいにくわたくしこの方存じませんでした.これといった接点もございませんし(今のはコレットとこれとをかけたギャグですね,或人社長).
フランス人なのに皆さん英語で会話し,コレットに至ってはフランス語を書きながら英語で読み返すというスゴ技を披露して,若干醒めてしまうのは勘弁してあげましょう.エレノア・トムリンソンさんを知らしめた功績がございますので.
夏に観た「モーガン婦人の秘密」でのキーラ・ナイトレイは鶏ガラみたいでカスッカスと批判いたしましたが,本作のキーラさんはとてもキラキラと光っておられました.キーラだけにねっ(今のはキラキラとキーラとキーラ・ナイトレイさんの3つをかけたギャグですね,或人社長)!ミッシーに感化されたコレットさんがスーツ姿で登場したときは,軽くどよめいたほどです(当然ながらその夜はかれんさんにスーツ着てもらいましたとさっ).
作品からは夫に抑圧されたコレットさんという印象を受けますが,視聴後色々調べてみると実際は性を含め奔放な生き様だった模様です.さらには,エンディングの紹介文だとミッシーさんと一生添い遂げた風でしたが,別の男性と結婚し子供ももうけております.さらにいうとウィリーさんとの離婚後も創作は続けており,むしろより活発になっているじゃあ,あーりませんか(チャーリー浜師匠のご冥福をお祈りします).
イメージでいうと吾峠呼世晴さんは鬼滅凄かったけど,実はその後の創作物多かったと言えばイメージできましょうか.実際の吾峠呼世晴さんは鬼滅後筆をやすまれておられますが,「クロディーヌ」ブームは鬼滅ブームを連想させますし男性名のペンネームってあたりも,そうでございましょう.
でそのコレットさん.女性もいける口で,おかげでエレノア・トムリンソンの外の人ジョルジーさんとの逢瀬は大変堪能いたしましたが,ジョルジーさんの立場からすればあれは夫婦丼という解釈でよろしゅうございましょうか.羨ましいかぎりでございます.エッ,オマエさんとこもスワッピングしてみろですって?バカいっちゃダメですよ.あたしゃ鬼のようなヤキモチ焼きなんですから,かれんさんが他の人たとえそれが女性でも,に抱かれるなんで絶対に許しませんからね・・・えっアンジェラ芽衣さんだったらですって・・・・・・・・・・・・悩む!!!

2021/08/26

2021/08/26

70点

テレビ/有料放送/スターチャンネル 


ゴーストライター

フランスの小説家コレットの伝記映画。とは言っても彼女の文学論ではなく、文学者としての目覚めと、その奔放な生活に至るまでを狡猾な夫と共に描いている。
ゴーストライターに書かせた小説を自分のものとして発表する夫に勧められて書いた小説が大当たり。しかしその功名と原稿料はすべて夫のもの。それでも彼女は夫のためにと思って書いていたが、彼が版権を売り渡したことから夫と別れ、自分の名前で小説を発表するようになる。
同性愛有り、夫とのセックスも有りで自由に生きたコレットが、なぜいつまでも商売上手(今で言うキャラクター商品の売買など)な夫と別れなかったのだろうか。彼女ぐらい先進的な女性が権利を主張できないほど、まだ世の中が進んでいなかったせいだろう。

2020/07/11

2020/07/11

80点

レンタル 


真の意味での、女の自立。

コレットを演じた、キーラ・ナイトレイが美しい。一方で、100年以上も前に、女が真の意味で自立することの難しさ、悔しさをにじみださせている演技が印象的。華やかで都会の香りがするいい男・ウィリーと結婚し、田舎娘から卒業するも、残ったのは小説家としての才能の搾取、そして不貞の数々。コレット自身も、ウィリーの奔放さを影響を受けて羽ばたいた部分があるが、やはり自分が描いた物語を踏みにじられるのは黙っていられなかった。金銭的にも、肉体的にも、精神的にもウィリーから自立したコレットの後ろ姿には、拍手を送らずにはいられなかった。

2020/06/07

2020/06/07

70点

その他/TSUTAYA DISCAS 
字幕


ゴーストライター

フランスの女性作家シドニー・ガブリエル・コレットの伝記映画。残念ながらこの作家は知らなかったが、作品の一つである「青い麦」は昔々映画を見たことがあった。本映画で夫ウィリーのゴーストライターとして書いた「フォローディーヌ」シリーズは、実際にコレットの作品シリーズとして認知されているようです。結末の裁判で勝ったというのが事実のようだ。映画の作品としては、コレットが原稿を書いているシーンで文章はフランス語であるのに、彼女がつぶやくのが英語と言うのはちょっと違和感を覚えます。フランス語でやって欲しい映画。

2020/03/09

2020/03/15

70点

レンタル 
字幕


エッフェル塔が象徴するベル・エポック。

日本ではガブリエル・コレットというと「青い麦」が有名。フランスでは有名な女流小説家で、けっこうな
多作家。ではフランス映画かといえば、否、英米資本での英語劇。主演はキーラ・ナイトレイ。
フランスの片田舎でコレットは14歳で作家のウィリーと結婚する。二人はパリへ。
時は1890年代のベル・エポック全盛の頃、軽佻浮薄なウィリーは享楽的生活を続け、借金漬け。
コレットをおだてて小説を書かせる。これが意外にいい出来で、ウィリー名義で出版する。これが
大ヒットの「クロディーヌ」となった。
ウィリーは有頂天になる。収入も莫大になり、贅沢三昧の浪費、漁色家の本性も露わ。
この時代、女性の名で出版されることはなく、コレットはゴーストライター化する。ウィリーからは
心が離れ、彼のためというよりは純粋な創作欲で、続編を書き続ける。

小説家ものは面白くない、というのが持論だが、この作品は真実の筆者の隠蔽というドラマがあり、
興味深く見せる。それもこれもウィリー(ドミニク・ウェスト)の破天荒な生き方が強いリズムを与えた。
ウェストの怪演がここまで効果が出るとは思わなかった。
一方、キーラの方も異端の性に走る力演を見せる。LGBTのはしりとして、男装の麗人ミッシーと愛欲の
生活を覚える。20世紀初頭、女性が男装するだけで嫌悪される時代、LGBTは身を隠して日陰に
住まなければならなかった。

終盤でのコレットが見せる強さは、先駆者としての栄光を引き寄せる。そして女性解放の旗手として、
大きな壁を象徴するウィリーを乗り越えていく、勝利にストーリーとなる。彼女はウィリーのくびきを脱し、
コレット名義で多数の小説を発表し、フランス社会全体から称賛されるようになる。
作品は原案・脚本の故リチャード・グラツァーに捧げられた。フランス語でなくともコレットに対する
敬愛は十分に感じ取れる作品だった。