映画はコメディタッチのつくりだが、ちょっとわかりにくい
ヒトラーが権勢をふるう戦争も末期、ヒトラーを信奉する少年ジョジョは自宅に匿われていたちょっと年上のユダヤ人少女が想像とは違って、きわめて人間的で、ナチスの教えとは違っていることに戸惑いを覚えていく。
ジョジョを演じる少年ローマン・グリフィン・デイヴィスの演技すばらしい。この映画がデビュー作になるらしいが、この子が主役なだけに、その存在感は映画の成否に直結する。その役割を見事に果たしている。
映画はコメディタッチのつくりだが、ちょっとわかりにくい。母親のスカーレット・ヨハンソン、ヒトラー役の監督・脚本を兼ねるタイカ・ワイティティの役どころもストレートに理解できない。子ども目線でとらえられた姿というものかもしれないが、よくわからないというのが正直なところだ。
一方、ヒトラーユーゲントを育てる責任者サム・ロックウェルはジョジョの身近な庇護者としての存在感があり、わかりやすいコメディタッチの役どころがよかった。