東京都大田区の生まれ。1981年、伊藤秀裕監督のにっかつロマンポルノ「団鬼六・女美容師縄地獄」に端役で出演。その後、82年に俳優小劇場付属養成所に入って本格的に演技を学ぶ。劇団言遊舎、劇団アートボックスを経て、84年のシティボーイズショー『おおいばりの宮沢くん』に出演したのち、宮沢章夫、竹中直人、シティボーイズらによって結成された笑いのユニット“ラジカル・カジベリビンバ・システム”に参加。92年の解散まで『スチャダラ』『亜熱帯の人々』など数々の公演に出演する。それらと並行して、宮沢章夫作・演出による“ナベナベ・フェヌア”公演『電波とラジオ』『オルガ・第２の冒険』『オルガストライクスバック』などの一連のシリーズでは、主演のオルガを演じた。94年、お笑いコンビ“ビシバシステム”に、脱退した西田康人（現・緋田康人）に代わる新メンバーとして参加。住田隆とコンビを組んで、舞台に留まらずラジオ、テレビなどに多数出演する。フジテレビの情報バラエティ『どーなってるの？』内の再現ドラマや、テレビ朝日の深夜バラエティ『竹中直人の恋のバカンス』、オリジナルビデオ『普通の人々』などがコンビでの代表的な仕事。デビューから本名の“布施絵里”で活動していたが、この頃から芸名をひらがなの“ふせえり”に改めている。近年はコンビではなく個々の活動が主で、TBS『温泉へ行こう』99～04、『昔の男』01、『嫌われ松子の一生』06、『きらきら研修医』07、フジテレビ『ナースのお仕事』00～02、『風のガーデン』08、『スクール!!』11、NHK『ゲゲゲの女房』10などのテレビドラマに多数出演。シティボーイズの構成作家をやっていた三木聡が映画を撮り始めると、「亀は意外と速く泳ぐ」05、「転々」07、「インスタント沼」09などその全作、またテレビ朝日のドラマ『時効警察』06・07、『熱海の捜査官』10などで、三木作品には欠かせない存在となる。笑いを端的に演じられる稀有な女優として、映画、テレビで重宝がられるほか、ピリリとシニカルな役柄も多い。また、三木と結婚していたことが、最近になって明らかになった。

2007年7月上旬号	特別企画　「図鑑に載ってない虫」と三木聡の世界:ふせえり　インタビュー