東京都世田谷区の生まれ。世田谷学園高校を卒業後の1971年頃から演劇活動を始め、劇団ザ・スーパーカンパニーを経て、82年に劇団つかこうへい事務所に入る。数々の舞台で活躍する傍ら、つか脚本の深作欣二監督「蒲田行進曲」82で映画初出演。風間杜夫扮する撮影所のスター・銀ちゃんの取り巻きの大部屋俳優のひとり、勇二を演じる。同年のテレビ東京のスペシャルドラマ『つか版忠臣蔵』では近松門左衛門をハイテンションな芝居で怪演し、強烈なインパクトを残した。翌83年、深作監督のファンタジー時代劇「里見八犬伝」で蛇使いの妖ノ介を妖艶に演じ、俳優としてさらにステップアップ。三村晴彦監督「愛の陽炎」86ではヒロインの恨みを買って丑の刻参りの呪い釘をかけられる恋人に扮し、男の心の闇と、さらにその奥の悲しみや優しさなどを体現する。90年代半ばからはOV作品を中心にやくざものの出演が多くなり、コワモテの面を大いに強調。特に長寿シリーズとなった「修羅がゆく」95～00の初期作を演出した和泉聖治監督とは、「新宿やくざ狂犬伝・一匹灯」「平成金融伝・裁き人」99などでも組み、好演している。テレビドラマはほかに、フジテレビ『スケバン刑事Ⅲ／少女忍法帖伝奇』86、『教師びんびん物語』88・89、『君を想うより君に逢いたい』95、NHK『独眼竜政宗』87、『元禄繚乱』99、日本テレビ『花嵐の森ふかく』88、『家なき子２』95、TBS『メモリー・オブ・ラブ』04や、各局の２時間サスペンスなど多数。テンション高く振り切れる芝居はコメディでも活き、近年はバラエティ番組などで個性的なキャラクターが好評を得る。また、元舞台女優の妻・まゆ美とともに夫婦で長年うつ病を患い、その闘病体験を公の場で語る機会が増えている。2008年、新進の育成のため、“萩原流行アクターズスタジオ”を開設した。2015年4月22日、東京都杉並区の青梅街道において交通事故により逝去。享年62歳。

2016年1月上旬号	映画人を葬る:萩原流行