二年前にキネマ旬報ベストテンに選出された深田晃司監督作品で、会社員としてやり手と言われながらも、女性関係なんかには優柔不断なところがある青年が、ある夜踏切内の車が立ち往生している現場に出くわして、なんとか救出したものの、乗っていた女性がのらりくらりと責任を回避しようとするのに驚いて、更に金を無心したりして、もう二度と会いたくない印象を持ったものの、なぜか絶妙のタイミングで、再び連絡してしてきて、更に迷惑をかけられてしまい、彼女が借金の為にヤクザに売られそうになるところにまで首を突っ込む形になってしまい、どんどんアリの巣にはまっていくような感覚に陥ってしまう、という展開ですが、ここではいわゆる悪女にはめられてしまう話ではなくて、自身の問題を他人に転嫁させちゃう能力みたいなものを持っている女性に関わっちゃった、という感じに描かれているのが面白く、更に二人の立場と行動が逆転していくような後半の展開も面白く、私が観たのはテレビドラマ版の方で、観るのに三日かかりましたけど、見応えたっぷりの作品でしたね。