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東京の真ん中に位置する紀尾井町キャンパス。立地のよさを生かしてフィルムセンターや美術館など、大学の外へ出かけて積極的に授業が行われているという話も納得の便利さだ。外部の人も招きやすいので、1年生の「メディア概論」を中心に幅広い分野の第一線で活躍中の映画人が同大学を訪れ、プロの現場について語ることも多いという。先日も最新作「MONSTERZ モンスターズ」の公開を控えた中田秀夫監督が講演を行った。入学時に専攻を分けず、それぞれの分野を段階的に学びながら、自分に合ったカリキュラムを組み立てていくことができるのも特徴だ。
最新の機材が揃うキャンパス内のスタジオだけでなく、日本最古の歴史を持つ映画製作・配給会社である日活の調布撮影所で実習が行えるのも魅力。自身も美術監督として長く撮影所で働いてきた金田克美教授は「プロの俳優、スタッフが行き来している環境の中で、大学とは違うもの作りの熱気を感じながら実習ができます」と語る。本格的なプロのスタジオの中に、作品に合わせて学生自身が設計したセットを組み立てて撮影が行えるのも、ここでしかできない経験だろう。
全学的に英語を中心とした語学教育に力を入れている同大学は、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各地域の大学とも活発に交流。共同で作品作りを行ったり、留学したりといった可能性も開かれている。卒業後は、映像関係はもちろん、一般企業への就職できる指導も行っている。
2014年3月にリニューアルが完了したばかりの中野キャンパスへ。中庭を囲むスタイリッシュな校舎内にあるスタジオやMA室、35ミリフィルム上映もできるシアターなどを見学。こうした施設がここで学ぶ3〜4年次の学生たちの作品作りを支えているという。16ミリのフィルムでの撮影から、テレビ番組の制作、アニメーション、CGなど、映像分野のさまざまな表現を基礎から学ぶことができるのが同大学の特徴。案内をしてくださった李容旭教授によれば「1年次にすべての領域を体験し、2年次には関心のある分野をさらにしぼり、3年次からは研究室に入ってより専門的に学んでいきます」とのこと。こうしたカリキュラムは「映像に関する仕事をしたいけれども、具体的な分野がわからない」という人にはぴったりではないだろうか。一人一人の個性を生かした教育方針がとられており、「学生が何を作りたいか」から出発する卒業研究にも多様なジャンルの作品が並ぶ。卒業生で、「祖谷物語—おくのひと—」を35ミリフィルムで撮り上げた蔦哲一朗監督も、このような大学での経験とサークル活動を作品作りにつなげたという。
アニメーション学科やゲーム学科、マンガ学科といった、他領域との横断的な交流の中で映像表現を学び、制作していくことも同大学の強み。今後は映像演技を学ぶ「身体表現領域」の学生が「アニメーション学科の作品に声優として参加」、「ゲーム学科の作品にモーションキャプチャーアクターとして参加」といった、コラボレーションも増えていきそうだ。
「デジタルビデオであれば最低でも17人。フィルムの撮影なら23人」
映画専修の制作実習について説明してくださった榎戸耕史教授の言葉に、思わず驚きの声をあげてしまった。1年次、3年次、4年次の制作実習が「個人ではなくグループで行われる」ことは事前にわかっていたものの、それほど大きな“集団”とは思っていなかったからだ。
「制作、演出、撮影、照明、美術、録音、整音、メイク、衣裳、スクリプター、編集と、各パートのスタッフを決めて作っています。たくさんの人間が必要で大変なんですが、これが一番、勉強になります。対話をしないことにはどうしようもないので、コミュニケーション能力も養われます」。
デジタル化が進み、インターネットなどを利用すれば一人でも映像作品を作れる時代に、あえて大人数での制作を行っているのが同大学の特徴だ。今回、3年生や4年生の作品作りが進行中の編集室やスタッフルームを見学させていただき、“もの作り”の熱気の一端を感じることができた。制作本数は1学年で1〜2本と少ないが、交渉や申請といった各パートの仕事を日常的に繰り返していく中で、卒業後、どんな仕事に就いても役に立つ力が自然に身に付くという。
「歴史や文学的な作品についての知識がなければ映画は理解できない。倫理観も必要」という講師陣の考えに応える多彩な科目を学びながら、実践的な経験を重ねられるのも、総合大学ならではの強みだ。
本格的な撮影スタジオや録音スタジオ、さらにはフィルムの現像所まで。映画学科の校舎の中には映画作りの“現在”だけでなく、数々の名作を生んできた“歴史”を物語る機材がいっぱいに詰まっている。こうした環境の中で学生たちは1年次から映像表現・理論、監督、撮影・録音、演技の各コースに分かれ、それぞれの創作技術を習得していく。同大学では課題や実習の準備に追われる5人の3年生に話を聞いた。
ずっと映画が作りたかったという監督コースの宮本佳奈さんは、カリキュラムについて「知らない前提で教えてくれるので、一歩ずつ着実に映画に近づけている感じがします。卒業生である現役監督の現場で実践的なことを学べる機会もあります」。撮影・録音コース(録音)の橋口万里奈さんも「学年を重ねるごとに、前には分からなかったことがどんどんできるようになっていくのが楽しい」と語る。撮影・録音コース(撮影)の青木峻さんによれば「先生との関係が濃密」という点も、同大学のよさだという。一方で、撮影・録音コース(撮影)の阿部篤子さんの「授業以外の時間に実習の準備も組んでいかないといけないし、ロケハンにも行かないといけないし……」という言葉からは、時間がいくらあっても足りない充実のカリキュラムの一端がうかがわれる。最後に監督コースの池田絢太さんに卒業後の進路について聞くと「いろんな選択肢の中から自分に合うものを見つけられたらいいなと思っています」という答えが返ってきた。彼らが日々成長し前向きに学生生活を送る様子が感じられた、インタビューであった。
今回唯一の専門学校となる日本工学院。東京スカイツリーや羽田空港も望める蒲田キャンパス3号館の16階のワンフロア全体が「KCfBC(片柳放送センター)」と呼ばれているのには訳がある。それは、ここにさまざまな番組収録が体験できる撮影用のスタジオがあるだけでなく、編集室、MAルーム、試写室などが揃い、映像コンテンツ制作のすべてを行うことができるからだ。
こうした恵まれた環境の中、学生は早い段階から機材を手に作品を作る実践的なカリキュラムに沿って学び、職業としての映像制作を習得。1年次には、それぞれの専門コース以外の分野についても学ぶため、映像業界に求められるマルチな能力も育まれていく。クリエイターズカレッジ副カレッジ長の高沢敦博さんはKCfBCの本格稼働による変化について「技術を身につけてプロを目指すという基本的な方針は変わりませんが、学生時代に作品を作って勝負していこうという姿勢がより強化されていくと思います」と話す。You TubeやUstreamなど、劇的に変化する発信メディアについては学生たちの選択に任せ、知識や技術の面で作品作りをサポートしていくそうだ。また世界中のクリエイターと企業を結ぶクラウド上のコンテストeYekaなど、外部のコンペティションへの出品も積極的にバックアップ。「10年後、20年後、映像業界は今の状態にはない。だから、これから外に出ていく学生たちにはその先のイメージを与えていかないといけないと強く思っています」という言葉が頼もしい。