エンリコ(マルチェロ・マストロヤンニ)と弟ロレンツォ(ジャック・ペラン)の母は弟を生んで死んだ。父は戦傷のため入院していたのでロレンツォは英国貴族の執事サロッキ(サルボ・ランドーネ)の許に里子としてもらわれていった。エンリコは祖母と一緒に貧しく別々に育てられた。長い年月が過ぎた冬のある日、偶然再会した。エンリコは植字工として働きながらジャーナリストになるため必死に勉強していた時である。ロレンツォは厳格な養父を嫌って家を出て来たのだった。翌朝、兄弟は老人ホームにいる祖母(シルビア)を訪れた。彼女にとって、許される面会日がいかに喜ばしかったことか。弟を連れてサロッキの家を訪れたエンリコに対して、彼は相変わらず高慢な態度を見せた。彼は貴族に死なれてから没落、家計も苦しくなっていた。不良仲間とつき合うロレンツォを血筋の悪さだと罵倒した。エンリコは彼を引きとった。復活祭の休日、エンリコは吐血した。3年後、退院して念願の新聞記者として働くようになった頃、スペインに内乱が起こり、波乱のさなか、祖母は死んだ。そんな時、ロレンツォと再会した。美しい恋人も持っていたが、何かに頼らなければ生きていけないような弱い弟の性格を、エンリコは初めて叱った。学業も中途で止めた彼にやっと役所の小間使いという仕事がみつかった。別の女と結婚をした。戦争が終わってエンリコがローマから帰った時待っていたのは難病にかかった弟が入院するという知らせだった。医者はロレンツォの生命を救う道はないと告げる。「生きたい」と訴える弟にエンリコは激しい愛情を感じた。ロレンツォの衰弱は激しく、生まれ故郷を見てから死にたいという願いを聞き入れてやることにした。だが弟の死を自分の目で見ることには耐えられないエンリコは、弟だけを車で発たせた。もう、ロレンツォの死の知らせだけしか待つものはなかった。