イギリス北部の都会ウォーンリー。ここの役所に赴任したジョー(ローレンス・ハーヴェイ)は立身出世を夢みるドライな青年だった。彼の望みはウォーンリーの高級住宅に一家をかまえることだった。それは上流社会に出入りすることを意味した。同僚は彼の夢を嘲笑した。彼は一級品ばかりの生活を諦らめなかった。やがて彼は市の有力者ブラウン氏の娘スーザン(ヒーザー・シアーズ)に目をつけた。彼は目的達成のために、彼女の跡を執拗に追った。ブラウン氏は上役に命じて、二人の交際をやめさせようとした。彼はくじけなかった。ブラウン氏はスーザンをフランスへ旅行に出した。落胆したジョーは、スーザンの入っている素人劇団の女優でフランス人の人妻アリス(シモーヌ・シニョレ)と知合った。不幸な結婚に悩む人妻と、青年の恋は火と燃えた。しかし、ジョーはスーザンをあきらめていなかった。フランスから帰った彼女を、ジョーはとうとう口説き落した。スーザンは妊娠した。純真な彼女はジョーとの結婚を真剣に考えた。娘の変調を知ったブラウン氏は、金と仕事を保証する条件でジョーが市から立ち去ることを申込んだ。ジョーは拒絶した。彼の態度をみたブラウン氏は、二人の結婚を許した。しかし、ジョーの心にはアリスのひたむきな愛情も忘れ得ぬ存在となっていた。しかしジョーはブラウン氏の申出をきかざるを得なかった。アリスはジョーからすべてを聞いた。放心した彼女は自殺した。アリスの死を知ったジョーは自分の犯した罪を、泥酔することで忘れようとした。しかし、周囲の人々はジョーをスーザンとの結婚にせきたてた。ある日、二人のめでたい結婚式が華かに行われた。ウォーンリーは街中挙げて、二人の結婚式を祝った。しかし、ジョーの苦悩にみちた表情は、まわりの華やかさにくらべて、あまりにも暗かった。