第二次大戦下の一九四三年、修道尼に変装して闇商売をやっているローマ娘エスペリア(ジョヴァンナ・ラリ)は買出しの途中、収容所を脱出した連合国側の三人の捕虜--英陸軍少佐ペンバートン(レオ・ゲン)、米空軍中尉チャールス(ピーター・ボールドウィン)、ソ連戦車隊軍曹イヴァン(セルゲイ・ボンダルチュク)と会い、窮状を見かねて自分の家の屋根裏部屋に隠した。数週間後の九月十日、ローマはナチに占領された。そしてある晩、抵抗運動をしていたエスペリアの婚約者レナート(レナート・サルヴァトーリ)らの秘密の爆弾工場が手入れを受け、彼とエスペリアは捕えられ、イヴァンが射殺された。屋根裏部屋に潜むペンバートンとチャールスは屋根づたいに逃れ、運よく隣りの貴族の息子アウグストの屋敷にかくまわれた。しかしここにもドイツの秘密警察の手がのび、二人は近くの修道院にもぐり込んだ。レナート銃殺の報が伝わってきた。年が明けその一月、連合軍はローマの南方アンツィオに上陸。チャールスは連合軍に合流するためペンバートンをおいて修道院を出た。一方、エスペリアは釈放されたが、家財はナチの家宅捜索で破壊され、彼女の心にも深い苦悩がしみこんでいた。エスペリアの釈放を知ったペンバートンは修道院長を通じて教会で彼女と会った。その途中、エスペリアはレナートの友人だったビッコの男に尾行されていることに気づき、そのことをペンバートンに告げた。その夜、ビッコの案内でファシストたちが修道院を襲撃、修道士まで逮補した。ペンバートンは屋根づたいに再びエスペリアの家に逃げた。二人はビッコが密告者であることを知った。事件後、ビッコがエスペリアを訪れ、一緒に北イタリアへ逃げようと誘った。ドアの陰にひそんでいたペンバートンは二人の前に躍り出て憎むべき密告者に復讐した。六月四日、ついに連合車がローマに入城した。ペンバートンは直ちに友軍に合流しなければならない。エスペリアは一人残された。彼女にとって永久に明けることのない夜の中に--。