予言者の言葉通り、ヘロデ王の代にべツレヘムの大工ヨゼフの婚約者マリアは、聖霊によって懐妊し、生まれた子はイエスと名づけられた。迫害を逃れるため行っていたエジプトからイスラエルにもどり、ガラリヤで成人したイエス(E・イラソキ)は、ヨハネのもとで洗礼を受けた。その時天から声かひびきわたり、イエスが神の子であることを告げた。彼はただひとり、荒野で四十日間の断食、さらに悪魔と対決し、退けた。その後イエスはガラリヤ全地を巡り歩き、教えを広め始めた。群衆を伴って山にのぼっては、神の国の福音を説ききかせた。そしてイエスは数々の奇跡をも行なった。しかし、悔い改めるものばかりではなかった。イエスは、自分が長老や司祭たち、律法学者たちから苦しみを受け、殺されることを知っていたが、それでも怖れずエルサレムめざして布教の旅を続けた。エルサレムについたイエスは、長老や司祭たちの偽善を責め、最後の審判の日の近いことを説くのだった。やがて過ぎ越しの祭りの日、十二人の弟子とともに晩さんの席についた。そして「この中の一人が私を裏切るであろう」といった。預言通り、イエスは弟子の一人ユダに売られ、ゴルゴタの丘で十字架にはりつけになった。それから三日目、イエスは復活し、十一人の弟子の前に姿を現わした。