「南部の人」のジャン・ルノワールが「どん底」(1936)についで監督した仏・RAC一九三七年作品(我邦には昭和十四年に入荷したが、当時の世界情勢により上映保留になっていた)。ストーリーと脚色はルノワールと「しのび泣き」「旅路の果て」のシャルル・スパークの共同執筆で、撮影は「格子なき牢獄」「旅路の果て」クリスチャン・マトラ、音楽は「ジェニイの家」のジョゼフ・コスマが担当している。主なる出演者は「愛欲」「珊瑚礁」のジャン・ギャバン、「帰郷(1928)」「東洋の秘密」「霧笛」などで古から知られているドイツ生れの女優ディタ・パルロ、「犯人は二十一番に住む」「六人の最後の者」のピエール・フレネー、「あらし(1939)」のエリック・フォン・シュトロハイム、「海の牙」「乙女の星」のジュリアン・キャレットなどである。2018年2月3日より川崎市アートセンターにてデジタル修復版を上映(配給:川崎市アートセンター)。