長崎県・五島列島・福江市。五島中央署の片山刑事はいろいろと問題が多く、刑事とは名ばかりの雑用係として毎日を送っていた。ある日、片山は殺人事件の捜査のためにやって来る警視庁捜査一課の刑事達の案内役を命ぜられる。一行を奈留港近くの旅館に案内した片山は、村上警部補から今回の極秘捜査の内容を聞かされた。東京で暴力団の組長を射殺して逃亡した犯人・仁科高志が福江市の出身で、唯一の肉親である母親の元へ寄る可能性があり、その張り込みの為に彼らが出向いて来たのだった。片山達がいる旅館から見える“バー玉江”は仁科の母親・玉江が経営する店であった。彼女の様子を確かめる為、片山と新米刑事の木崎が客を装い“バー玉江”に出向くが、飲みなれない酒に木崎が酔い潰れ、二人が刑事である事を知られてしまった。翌朝、片山は木崎に、昨夜、仁科が札幌に潜伏しているという情報が入った為、村上達が北海道へ向かった事を伝える。その夜一人で“バー玉江”を訪れた片山は、玉江から、仁科の妻と娘が黒瀬にいてご二で暮らしている事を聞いた。妻の名前は松村清子、民宿“海っ子”を経営しており、娘の名は海子という。次の日、“海っ子”を張り込むため、片山と木崎は黒瀬へ向かった。片山が浜辺で張り込んでいる時、子供が海に落ち、助けようとした彼は飛び込むが浅瀬の為おなかを打って気絶した。“海っ子”に運び込まれた片山は、そのまま民宿を手伝う破目になる。海子は波を父のように慕った。ある日、仁科が射殺した組長の子分達が“海っ子”に土足で入り込んできた。仁科の居場所を教えろと暴れまわる男達。清子と海子を守る為、片山は彼らと闘ったが、彼が刑事である事を知られてしまう。そんな時、仁科が長崎から奈留島へ向かったという情報が入った。木崎を先に向かわせ、片山は“海っ子”から出かける清子を追う。岬の岩蔭から仁科が現われた。片山は、岬の上の草原から洋弓で仁科を狙う殺し屋を狙止しようと闘いを挑んだ。彼を倒した後、片山は仁科を逮捕した。・翌日、福江港から連絡船が片山と仁科を乗せて出発した。そして、岩壁の上から「お父さん」と叫ぶ海子に、仁科は手を振るのだった。