少年院出身で、傷害の前科をもつダンプ運転手の末広勝治は、ほんの些細な交通違反がもとで起こした、公務執行妨害と法廷侮辱罪で網走刑務所に送られた。名古屋出身の強姦前科四犯小松五郎、北海道の愚連隊で傷害一年六カ月の庄司富士夫、東京出身の獣医で傷害前科二犯の大藪善男などが勝治と一緒に新入りの囚人となった。それを待ちかまえるように、受刑者のボス的存在の嵐田産業の次男源二とその一味が、庄司を狙っていた。嵐田の家は昔、庄司の父のために潰され、父母は自殺してしまった。その恨みをはらすために、この地方の木材を一人占めしようと目論み、庄司の実家の庄司木材に圧力をかけると共に刑務所内では庄司を痛めつける役目を源二が果たしているのだった。勝治は持ち前の正義感で庄司を助けるが、そのための争いが絶えなかった。これに手を焼いた所長は勝治たちを郊外作業場へ送り出すことに決め、鬼担当の神代が同行することになった。そこでも勝治は、元東京菊水会の幹部だった力石勇と、友情のようなものを感じながらも、ことごとく対立する。そこでの副場長黒部は嵐田と結託し農場の豚や木材を横流ししていた。力石はその事実を知っていたが、病気の母の面倒をみてくれることを条件に黙認する。庄司も彼らの悪事に気付くが、発覚すれば庄司木材の女主人である姉のくに子を殺すという源二の言葉に目をつむる。一方庄司木材への圧力は日に日に増し、ついに嵐田産業が放った火のために燃えあがり、勝治ら囚人たちも消火作業にかり出された。源二はこの機をとらえ、騒ぎにまぎれて庄司を殺すようにと力石に命じるが、庄司をかばう勝治のために逆に深い傷を負ってしまう。姉の危機を救うため、庄司は黒部や嵐田の奸計とは知らずに脱獄して、正当妨衛にみせかけた黒部のライフルで殺された。次に嵐田と黒部は、事を深く知りすぎた力石を殺そうと計るが、黒部は力石に殺されてしまう。事の真実を勝治に知らせると力石は息絶える。怒りに燃えた勝治は、小松五郎の協力を得て脱獄し、くに子の涙をふりきって一人、嵐田産業へ殴りこんでいった。