浅草で老舗のすき焼き屋田能久の若大将こと田沼雄一は、京南大学水泳部のエースだ。スーパー・マーケットのレジスター芦野澄子、ミュージカル・スター秋山悦子、同級生の大町英子などみんなが若大将の大ファン。若大将の父親久太郎は、息子を商科へ入学させたのだが、雄一は内証で水産科に籍を置き、遠洋航海を目標に航海学と水産学を勉強中だ。その若大将が級友の江口と共に三カ月間の停学になってしまった。理由は江口が試験の当日青大将こと石山新次郎のカンニングに協力したのを発見され、関係のない若大将がまきぞえをくってしまっただ。学校に呼び出された久太郎は、雄一が無断で水産科に入ったことを知って激怒、勘当を宣言した。若大将はこれを機会に航海術を勉強するため、船長の青大将や事務長江口らと共に小さな船“光進丸”に乗りこむことになった。ところがこの光進丸に、悦子への意地から澄子がこっそり乗りこんでしまった。船は八丈島に向かうが途中で遭難し御蔵島に漂着する。島では若い連中はほとんど東京へ行き、島はじいちゃん、ばあちゃん、かあちゃんだけの“三ちゃん漁業”で細々と生計をたてていた。人手不足を知った若大将は、青大将、江口らを動員して漁業を手伝った。そこで若大将は、漁師左平の孫娘昌江を知った。やがて船は島を離れ、青大将たちは東京に帰った。ところが昌江は若大将のことが忘れられなくなり父親の左平が昌江の思慕を若大将に伝えに東京にやって来た。一方の澄子もこれを察し、なかばヤケ気味に青大将とドライブに出かけた。が、澄子の心情を察した青大将は、そのまま車を競技場に走らせた。そのころ“日豪対抗水泳競技大会”は始っていたのだ。苦戦だった若大将も、澄子の応援で盛り返し優勝した。若大将はオーストラリア留学が決り、澄子との愛を誓いあった。