昭和初期の大阪に、一匹狼の博徒海津銀次郎が、弟分の花沢を連れて現われた。銀次郎は見事な腕で各賭場を荒して歩いたが、黒田一家の桜井は、同じ博徒として銀次郎に讃嘆の目を見張った。ある日、女郎屋錦楼の主人新吉が黒田に借りた大金を、期日に返せないと銀次郎に泣きついてきた。新吉は博奕が好きで借金をつくっては女房おときを困らせていたのであった。銀次郎はおときから預った金を寺島一家の賭場で十倍にして新吉に渡したが、新吉はそれで素人賭場を開いた。縄ばりを荒された黒田は、新吉から金をまき上げ、借金の担保だった錦楼を手にしてしまった。悲観したおときは自殺した。その通夜の日、新吉は香奠を元手に、黒田の賭場にいき。錦楼を取り返そうとしたのだが、逆にすってしまった。それをみた花沢は、銀次郎に内証でイカサマ札を使ったが、黒田の子分大関に見破られて指をつめる破目になった。その夜、銀次郎は身を清めて黒田の前に現われ、総ては博奕で決着をつけようと言った。銀次郎は勝ち続け、ついに桜井との対決になった。桜井は銀次郎への友情から得意のイカサマをやめたため、勝負に敗れた。一方、花沢が女のことから、大関に殺されてしまった。それを聞いた銀次郎は錦楼に乗り込んで大関を倒し、さらに黒田一家に現われた。黒田をかばって立った桜井は、自ら銀次郎の短刀に倒れ、黒田を斬った銀次郎の腕の中で事切れた。それは友情と博徒の義理を貫ぬいた男の最期で、銀次郎は心をうたれるのだった。