戦国時代。その頃、戦いに敗れた敗戦者を襲う野盗の群れが横行した。天魔谷に砦を構える一党は、天魔太郎を主領に、那智新田の次郎、三途帰りの三郎、蛇の池四郎など二十数名が虎視眈々と獲物を狙っていたが、彼らの集団とは別に、婉を主領とする、弥生、うめ、さくら、すずめ、しの、ねねの女七人の疾風組が、荒くれ男顔負けで暴れまわっていた。ある日天魔太郎は、鉄砲百二十挺が高須賀城へ運ばれるという情報を掴んだ。早速、行列を襲撃するが、中味は石ころだらけで、組頭、村上源五兵衛に計られたことを知った。しかし村上は他の間道伝いに隠密裏に荷を運んでいたが、待ち受けてい疾風組にまんまと強奪されてしまった。数日後、町人と武士に扮した天魔太郎と疾風組が駿府の城下に現われた。鉄砲商を訪れた太郎と婉は奪った鉄砲を買戻させることを強引に承諾させた。一方村上は、三人の忍者を呼び寄せ逆襲に転した。まず、彼らの本拠を襲い、梅と桜は、他の五人が気ずいた時にはすでに遅く、強姦された挙句、殺されていた。翌日、再度、襲撃してきた村上と忍老たちの攻勢には、さすがの疾風組たちも退散するしかなかった。そして、数時間後、婉、しの、弥生、すずめは木にぶら下げられた、無惨なねねの死体を発見した。そして、しのまでが……。その頃、村上たちは、天魔党の山塞へ行き、武器引渡しの交渉中に、大乱戦となり、相方とも全滅してしまった。残った、婉たち三人は、太郎と仲間割れして傷ついた次郎を介抱していたが、山塞が炎の中に消えてゆくのを見、荘然と佇むのだった。