恋人のように仲の良かった兄・剛と連絡が取れなくなって数日、彼のアパートで高校時代の同級生・泉からの手紙を見つけたかおるは、妙な胸騒ぎを覚えて泉の実家のある不来彼方村へ向かった。だが、泉の母・幸恵は泉が療養所に入院して不在だとけんもほろろの対応。かおるは、泉の父・耕造の計らいで家に泊めて貰うことになるも、その晩、泉と案山子が現れる奇妙な夢にうなされてしまう。実は、不来彼方村には案山子に死者の魂を憑依させ蘇らせるという風習があり、幸恵もまた既に死んでいた泉を祭りの晩に蘇らせようとしていたのである。その事実を耕造に聞かされたかおるは、合同会所に幽閉されていた剛を助け出し村から逃げようとするが、その時、かおるに対し嫉妬と憎悪を抱いていた泉が蘇ってしまう。あまりの恐ろしさに、どうすることも出来ないかおる。そんな彼女の前で、剛が自分の体もろとも泉に火を放った。燃えさかる火に包まれた泉は、しかしかおるに対し勝ち誇ったような笑みを浮かべた。そしてその後、香港からの留学生・サリーに連れられ村の出口のトンネルまで逃げて来たかおるだったが、その途中で剛が自分を呼んでいる声を聞いてしまい、村へ引き返すのだった。