10歳の少女・千尋は、何事も自分からは行動を起こそうとしないひよわな現代っ子。引っ越しの途中、両親と一緒に神々が病気と傷を癒す為の温泉町へ迷い込んでしまった彼女は、町の掟を破り豚にされた両親と別れ、謎の美少年・ハクの手引きの下、湯婆婆という強欲な魔女が経営する湯屋で、千という名前で働くことになる。人生経験豊かなボイラー焚きの釜爺や先輩のリンに励まされながら、逆境の中、意外な適応力を発揮して働き始める千尋は、やがて怪我をしていた名のある川の主の傷を癒したり、他人とうまく交流出来ないカオナシの魂を解放へと導いていく。そんな中、湯婆婆の命令で彼女の双子の姉・銭婆から魔法の印鑑を盗んだハクが、銭婆の魔術によって瀕死の重傷を負わされた。ハクを助けたい一心の千尋は、危険を省みず銭婆の元へ印鑑を持って詫びに行くが、それは初めて千尋が他人の為に何かをすることだった。お陰で、ハクは命を取り留め、しかも彼が千尋が幼い頃に落ちた琥珀川の主であることも判明する。湯屋へ帰った千尋は湯婆婆に両親を返して貰い、無事、人間の世界へ戻って行く。