同居している息子夫婦や金の無心ばかりしに来る娘との間に出来た溝を埋められずにいる、孤独な老人・弦一郎。彼のたったひとつの拠り所は、名門高校に通う孫の梓だ。ある日、梓と渋谷へ出かけた弦一郎は、彼女の中学時代の友人グループと知り合い、その中のひとり・未菜から援助交際の相手を紹介して欲しいと相談を持ちかけられる。実は、彼女は父親の会社の倒産や友人の堕胎手術費用カンパで金が必要だったのだ。そんな未菜と、いつしか互いの孤独を共有するようになった弦一郎は、未菜とその友人たちと組んで息子・俊一を騙し、金を巻き上げるいたずらを決行。更に、息子夫婦や娘と喧嘩し家を飛び出した彼は、未菜とホテルの部屋で一晩、南の島で暮らす夢を語るが……翌朝、未菜は家に帰って行くのだった。