ヘルシンキに流れ着いた一人の男(マルッキィ・ペルトラ)。彼は暴漢に襲われ、一命は取り止めるものの過去の記憶をすべて失ってしまう。やがて男は絶望の淵の中、救世軍の女性イルマ(カティ・オウティネン)と運命的な出会いをする。まもなく恋心が芽生え、互いに惹かれていく男とイルマ。それで活気づいた男は、救世軍主催のロック・コンサートを企画したりなど、だんだん行動的になっていく。しかしひょんなことから、銀行強盗に関与してしまった男は、新聞記事に載ってしまう。すると警察のもとに、男の妻(アイノ・セッポ)から連絡があった。過去が判明した男は、イルマとの別れを惜しみつつも、地元に帰るため列車に乗り込む。だが、たどりついた街に、男は何の感慨もわかない。しかも妻とは数か月前に離婚が成立していた。そこで男は、妻を新しい恋人であるオヴァスカイネン(ヤンネ・ヒューティライネン)に託すと、再びヘルシンキに戻り、イルマのもとへと足を運ぶのだった。