ユンジュ(イ・ソンジェ)は、出産間近の年上の妻ウンシル(キム・ホジョン)に養われている、ヒモ同然の大学講師。最近、マンション内に響き渡る犬の鳴き声に神経過敏になっていた。ある日、となりのドアの前にチョコンと座る犬を見つけて、ついふらふらと地下室へ閉じ込めてしまう…。ヒョンナム(ペ・ドゥナ)は、マンションの管理事務所で経理の仕事をしている女の子。毎日ボーと仕事をしていたが、団地に住む少女(ファン・チェリン)の愛犬ピンドリがいなくなり、迷い犬の貼り紙を貼っている少女に代わって、町じゅうに紙を貼るのだった…。教授になるためには、学長へのワイロが必要だと先輩(イム・サンス)に諭されたユンジュは、やけ酒を呑んで帰ってきた。そのとき、どこからか聞こえる犬の鳴き声! 声の主は切干大根ばあさん(キム・ジング)のワンちゃんだったのだ。昼間閉じ込めた犬は、まちがいだった! ユンジュは閉じ込めた犬を救出するため、地下室へ向かう。しかし、そこに犬はいなかった。焦るユンジュは、物音に気づいて身を潜める。と、そこに現れたのは警備員ピョン(ピョン・ヒボン)。野菜や包丁を手に、なにやらおいしそうなナベの準備を始めるが、たまたまやってきた管理主任(クォン・ヒョクプン)に、この団地に隠されたある秘密を語りだす…。一方、怪力の友人チャンミ(コ・スヒ)と、屋上でだらだらしていたヒョンナムは、持っていた双眼鏡で向かいの屋上を眺めていた。と、赤い帽子をかぶった男が犬を投げ捨てる場面を目撃してしまう! 子犬失踪事件の犯人はこいつか! 追うヒョンナム。逃げる男。あと少しで犯人に手が届く、というところで、ヒョンナムは逃がしてしまう。そして、次々と続く子犬失踪事件。赤い帽子の男はいったい何者? チャンミの忠告も耳に入らないヒョンナムは、犯人をこの手で挙げることを決意する。「絶対、あたしが助けてあげる」。市民栄誉賞を取ってテレビに出演するため。退屈な日常に、なんらかの意味を見出すために……。