68年、京都。敵対する朝鮮高校に親善サッカー試合を申し込みに行くよう、担任の布川に言われた府立東高校2年生の康介は、そこでフルートを吹く女子高生・キョンジャに出会い、一目惚れする。ところが、彼女は朝高の番長・アンソンの妹だったのだ。それでも諦め切れない彼は、彼女が演奏していた『イムジン河』をギターで練習し、片言ながら韓国語を覚え、帰国船で祖国に帰る決意をしたアンソンを祝う宴会の席で、彼女と合奏。見事、仲良くなることが叶うのであった。しかしその一方で、アンソンたち朝高と東高空手部との争いは激化するばかり。遂に、アンソンの後輩・チェドキが命を落としてしまう。悲しみの通夜。参列した康介は、遺族から日本に対する恨みをぶつけられ、未だ民族間に越えられない壁があることを痛感しショックを受ける。だがその夜、ラジオの“勝ち抜きフォーク合戦”に出演した彼は、複雑な心境を放送禁止歌の『イムジン河』に託して熱唱。果たして、それはキョンジャの胸に届き、同じ頃、東高空手部との戦争に臨んでいたアンソンもまた、恋人・桃子の出産の報せに少年の季節が終わったことを自覚するのであった。こうして、それぞれの様々な壁をパッチギった(突き破った)康介たち。彼らは、未来へ向けて新たな一歩を踏み出す。